孔鉉佑駐日大使、神奈川県を訪問・交流するとともに同県日中友好協会の創立40周年記念式典に出席
2022-06-23 16:36

  海の港に初夏の暖かい風が吹き、地方の友好の温かさに気持ちが和む。6月8日、孔鉉佑駐日大使は東京湾沿岸の神奈川県を訪問し、黒岩祐治県知事、敷田博昭県議会議長とそれぞれ会見、懇談するとともに、神奈川県日中友好協会の創立40周年記念式典に出席し、スピーチを行った。大使館の張漪波公使参事官が同行した。



 孔大使はまず神奈川県庁を訪れ、黒岩知事が自ら玄関先で出迎えた。黒岩知事は会見の際、神奈川県は対中交流の歴史が長く、横浜中華街は日中民間往来の重要なシンボルであると指摘、また、神奈川県は遼寧省と友好関係を結んでおり、これまでに豊富多彩な交流・協力を繰り広げてきたと述べた。黒岩知事は訪中経験を懐かしげに振り返るとともに、中医(中国伝統医学)に対する自身の理解・体験と交えて、中医の「未病治療」理念が日本の「人生100年時代」健康社会づくりに果たす重要な役割を興味深げに説明し、今後中国と医療・健康・介護などの新興分野での互恵協力を一段と強化することを期待していると表明した。



 孔大使は次のように述べた。今年はちょうど中日国交正常化50周年に当たり、両国関係は重要な一里塚を迎え、新たな歴史の出発点に立っている。双方は中日の四つの政治文書と両国指導者の重要な共通認識を導きとして共にチャンスをつかみ、試練に打ち勝ち、両国関係を守り、強固にし、発展させ、中日関係をより成熟、安定した姿で次の50年に進ませなければならない。神奈川県は対中往来の根源が深くて厚く、来年は遼寧との友好省県関係締結40周年を迎える。神奈川県がこれを契機に、対中友好の絆を一段と強化し、地方間交流を推し進めることを希望する。


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 その後、孔大使は神奈川県議会を訪れ、敷田博昭県議会議長、県議会日中友好議員連盟の森正明会長、藤井深介、日下景子両副会長らと懇談、交流した。敷田議長はかつて日中友好議連の事務局長を務め、5月末に議長に選ばれたばかりだ。上海は彼が若い時に初めて海外旅行した際の目的地で、孔大使は彼が議長に就任した後に会見した最初の外国使節であり、二つの「初」の縁が数十年の時をまたいで対中友好の美談をつなげた。森正明氏は政界入りする前にサッカーの日本代表を務め、中国チームと何度も対戦し、友情を育んだ。瀋陽から古道を横断して新疆を訪れた旅はいまだに忘れがたく、機会があれば再び中国を訪れ、交流することを心待ちにしているという。孔大使は、地方交流は中日関係を発展させる重要なブースターであり、神奈川県議会の友人諸氏が引き続き対中友好往来に参加、これを後押しし、中日友好事業により多くの原動力を加えることを希望すると述べた。


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 県議会を離れた後、孔大使は黒岩知事、敷田議長および日中友好協会全国本部の宇都宮徳一郎副会長らと共に神奈川県日中友好協会の並木裕之会長の案内で、同協会創立40周年記念式典に出席した。会場ホールは人の声が沸き立ち、楽しく伸びやかな雰囲気にあふれ、新旧の友人が一堂に会し、友好を共に語り合った。



 孔大使はスピーチで次のように述べた。今年は中日国交正常化50周年である。「五十にして天命を知る」といい、中日両国は両国人民に幸福をもたらし、地域と世界の平和・安定、発展・繁栄を後押しする時代の使命を共に担っている。「志を同じくして友となる」。中日が手を携えて共に歩み、協力してウィンウィンを図ることをしない理由はない。両国の各界の友好的な人々が▽民で官を促し、地方で中央を促す良き伝統を引き続き発揚し、平和の信念に立ち返り、友好の初心をかたく守る、▽実務協力を推進し、共同発展を促進する、▽民間交流を拡大し、意思疎通の懸け橋を築き、両国関係発展のためにより多くのプラスのエネルギーを注入する――ことを希望する。神奈川県日中友好協会が創立40周年を新たな起点として、正しい道を守って革新を図り、誠実な行いを永続させ、中日友好の信念を堅持し、新時代の要請にふさわしい中日関係を構築するために新たな貢献をするよう期待している。



 日本側のゲストはスピーチで次のように述べた。神奈川県日中友好協会は1982年に創立されて以降、中国との経済貿易、人・文化、教育、観光など各分野の民間交流を積極的に推し進め、民衆の相互理解と友好感情の増進に努めてきた。われわれは日中国交正常化50周年と協会創立40周年を契機として、民間の友好交流活動を力強く繰り広げ、中日関係発展のために微力を尽くす考えだ。



 神奈川県の政治、経済、メディア、文化、学術など各界の人々および友好団体の代表200人近くが式典に出席した。神奈川県日中友好協会の並木裕之会長は100人の個人・団体代表に賞状を授与し、日中民間友好のため多大な貢献をしたことに謝意を表した。受賞者には40年一日のごとく中日友好事業に携わってきた大先輩、60年余り連続して「義勇軍行進曲」の作曲者、聶耳の記念行事を催してきた友好団体、また、青少年交流や中国文化の伝播に長年努めてきた熱意ある人々などがいた。



 そのうち最年少の受賞者は中央音楽学院の附属中等音楽学校で勉強した本多ゆとりさんだ。本多さんは会場で二胡を用い、広く知られている日本の歌曲「昴(すばる)」および中国の「空山鳥語」、「賽馬」など二胡の名曲を演奏した。孔大使は本多さんと和やかに懇談し、引き続き中国の民間音楽を学習し、中日友好の使者となることを目指し、中日友好の声を伝えていくよう励ました。