孔鉉佑駐日大使、第5回西日本地区中日友好交流大会に出席
2022-06-24 13:05

  6月16日、孔鉉佑駐日大使は第5回西日本地区中日友好交流大会(中国駐大阪総領事館、大阪府日中友好協会共催、中日友好協会協賛)に招かれて出席し、基調講演を行った。日本外務省の姫野勉関西担当大使、三日月大造滋賀県知事、丹羽宇一郎日中友好協会会長、梶本徳彦大阪府日中友好協会会長、西日本の各友好団体、政財学界関係者、程永華中日友好協会常務副会長、薛剣・駐大阪総領事、中国共産党中央対外連絡部、中華全国青年連合会、中華全国婦女連合会、中国社会科学院、宋慶齢基金会、中国国際友好連絡会など中国側の対日交流窓口および全国の40近い地方政府外事弁公室、友好協会代表など500人超が対面またはオンライン形式でこれに出席した。大会は「第5回西日本地区中日友好交流大会宣言」を採択した。



 孔大使は講演で西日本の対中交流・協力の成果を高く評価し、各友好団体と各界の友好的人々が両国の民間友好の促進と中日関係の発展に貢献してきたことをたたえた後、次のように表明した。

▽今年は中日国交正常化50周年に当たるが、これは両国関係の発展史における重要な一里塚だ。50年前、両国の古い世代の指導者が卓越した戦略的知恵と政治的勇気によって、国交正常化実現の重大な決断をし、中日両国に50年に及ぶ平和と発展をもたらした。中日関係は半世紀の風雨をくぐり抜け、各分野の交流・協力は急速な発展をとげた。中日貿易は3700億ドル余りの歴史的記録をつくり、コロナ以前の人の往来は年間1200万人に上り、地方の友好都市は260余組に及び、利益の融合はかつてない広がりと深まりを見せた。両国は肩を並べて世界第二、第三のエコノミーとなり、両国国民に極めて大きな利益をもたらすだけでなく、地域と世界に深遠な影響を与えた。

 50年後のこんにち、中日関係は歴史の新たなスタート地点に立ち、新たなチャンスを迎えるとともに、複雑な挑戦〈試練〉にも直面している。双方は国交正常化の初心に立ち返り、両国関係の歴史の中から経験と教訓をくみ取り、つねに平和・友好・協力の正しい方向をしっかりつかむようにすべきである。あくまでも中日の四つの政治文書と両国指導者の重要なコンセンサスを指針にして、絶えず政治的相互信頼を増進し、互恵協力を深め、人や文化の交流を拡大し、両国関係の発展のために、絶えることのない十分な原動力を与えるようにしなければならない。信義を重んじ約束を守り、重大で機微な問題を適切に処理し、矛盾や意見の食い違いを建設的に管理し、さまざまなリスクや妨害を排して、中日関係が長期的に安定するようにしなければならない。中国側は日本側と共に努力して、共にチャンスをつかみ、挑戦に打ち勝ち、両国関係をしっかり守り、固め、発展させ、新しい時代にふさわしい中日関係の構築を図って、中日関係を一層成熟し安定した姿で次の50年に進めることを願っている。



 孔大使はさらに、次のように表明した。民間友好は終始、中日関係の貴重な財産と際立った強みだ。中日関係の発展で今日のような成果が得られるのには、民で官を促す優れた伝統と数世代の友好的人々の献身が欠かせなかった。新しい時代の中日関係のよりよい未来を開くのにも、官民一体の努力と数世代の継続的奮闘に依拠する必要がある。きょうの機会を利用して、友人の皆さまと共に、新たな情勢下でいかにして中日友好を一段と発展させるかについて考えてみたい。

 第一に友好の信念をしっかり固めなければならない。中日の友好というのは、決して当たり前のスローガンではなく、両国人民が歴史の通定思痛(つうていしつう)の中から発した共通の心の声であり、両国の協力を順調に進めるための前提であり、中日平和友好条約で明確に定められた責任と義務でもある。中日友好は一方だけが利益を受けるものではなく、双方の共通利益に合致しており、隣人間の正しい付き合いの道である。中日関係の情勢がどう変わり、どんなに大きい困難に出会おうとも、われわれは友好の信念が揺らいだり、友好の初心を失ったりしてはならない。国交正常化50周年のこんにち、中日友好を発揚することは、これまでのいかなる時よりも一層重要になっており、われわれはなおさら中日友好の旗をしっかり担いでいかなければならない。

 第二に友好のプラスエネルギーを積極的に広げ伸ばさなければならない。戦後になり、両国では民間が先行し、民で官を促し、民間友好が大きく盛り上がって、国交正常化の実現を進める強大な力を結集した。その後中日関係が困難に遭う度に両国民間の有識者が乗り出して、両国関係を正常な軌道に戻すために重要な役割を果たした。いま日本国内の一部の勢力が中国の脅威をはやし、反中嫌中感情をあおっており、中日関係を対立対抗の危険な状態に向かわせる可能性がある。両国各界の友好的人々が積極的に行動し、より多くの友好の声を上げ、友好勢力を結集し、健全で理性的なプラスエネルギーを広めるよう、そして両国関係を壊す一切の言動に共同で反対し、中日関係の大局を全力で守るよう希望している。

 第三に友好の絆を固め強めなければならない。中日友好は空中の楼閣ではなく、幅広い共通利益と協力・ウィンウィンの基礎の上に築かれたものだ。国交正常化以降、中日両国は互いに依存し、利益が深く溶け合い、とうに名実ともに発展共同体になっている。双方が両国の地方、企業、市民を一層緊密に結びつけ、より多くの意思疎通ルート、交流プラットフォームと協力メカニズムをつくり、双方の共通利益を大きくし続け、より高い水準の互恵・ウィンウィンの実現をはかるよう、そして友好の絆を一層強固かつ緊密にし、中日関係の健全な発展のために堅固な物質的基礎と社会・世論基盤を築くよう希望している。

 第四に友好事業を継承し発展させなければならない。中日は重要な近隣であり、両国の友好は市民の切実な利益に関わり、国の未来・前途にも関わることだ。両国の各界・友好団体が友好の伝統を広く発揚し、情勢の変化に合わせて活動方式を積極的に刷新し、絶えず気心が知れ心が通い合うようになるよう、そして両国の市民がますます多く中日友好事業に関心を持ち、参加するようになるよう希望している。中日関係の未来は若い世代にかかっており、両国の青年が中日友好事業に勇躍身を投じ、中日友好を伝え広める新しい血液となり、青春の力を注ぐよう期待している。

 孔大使は最後に次のように表明した。中日関係は50年来雨にも負けず風にも負けず、まさに次々と試練を乗り越え、次々と困難に打ち勝ち曲折をたどりながら前進してきた。将来を展望すると、中日関係の行く手にはなおさまざまなチャンスとチャレンジ〈課題〉があるだろう。双方がつねに友好の初心を肝に銘じ、道は険しく長くとも進めば必ず行き着くという決意をしっかり抱くかぎり、必ず十分な勇気と英知を持って、困難を克服し、チャンスをつかみ、新しい時代の中日の平和・友好・協力の新たな一章をつづることができるに違いない。国交正常化50周年という過去から未来につなぐ重要な年にあって、西日本各界の友好的な方々が、今回の交流大会を機に、幅広いコンセンサスと強大な合力を作り上げ、中日友好事業を絶えず推進して再び豊かな実を結び、中日関係の改善・発展のために新たな、より大きい貢献をされるよう期待している。