ご来賓の皆様、ご友人の皆様
こんばんは!本日は私の着任レセプションにお越しいただき、誠にありがとうございます。お馴染みの顔ぶれとともに、中日友好にご尽力頂いている新しいご友人の方々とも出会うことができて、格別の親しみと喜びを感じます。まず、在日本中国大使館を代表しまして、長きにわたり中日関係の改善・発展にご関心、ご支持いただき、両国の交流と協力の深化にご尽力いただきました皆様に心より敬意と感謝の意を表します。中日関係が肝心な段階にある中、駐日大使に拝命したことは光栄な使命とともに、重要な責任でもあると存じます。私は中日両国人民の友情と協力を促進する誠意と願いを携えてきており、日本各界の方々とともに、両国指導者の重要な合意を導きとし、共に新しい時代の要請に相応しい中日関係の構築のために弛まず努力していきたいと存じます。
今回は私にとって3回目で、15年ぶりの日本勤務です。多くの友人から、今回来日して何が変わったと思うかと聞かれております。変化は実に大きかったと思います。我々が暮らす世界、中日両国も両国関係も大きく変貌しました。15年前、私が日本を離れたのは、2008年の北京オリンピックの頃でした。「同じ世界、同じ夢」が各国共通の願いとなり、我々がより結束し、協力的で調和した素晴らしい世界を憧れておりました。しかし、今日の世界は、一連の大きなリスクと課題に直面し、人類社会は再び、どこへ向かうべきかという岐路に立たされております。これは中日関係にとって大きな試練であり、双方が両国関係の正しい方向性を把握することを求めるとともに、然るべき責任感をもって、世界の平和、安定、発展に一層プラスのエネルギーを与えるよう呼びかけているのではないかと思います。
我々の目に映っているのは、かつてないほど密接になっている中日間の利益のつながりがあります。近年、中国は目覚ましい発展の成果を挙げ続け、日本は安定した経済・社会発展を維持しています。両国の互恵協力は絶えず拡大し、経済の融合が深化しつつあります。中日間の貿易額は過去最高の3700億ドルを記録し、訪日中国人観光客は1000万人という大規模に達しました。大使館の若い同僚の話によると、東京でもタピオカミルクティーや麻辣湯などさまざまな中国グルメを味わうことができ、しかも中国と同じブランドで、同じ味だということです。北京の多くのスーパーでも、日本各都道府県の特産品も簡単に手に入るようになりました。
一方で、目に映っているのは、かつてないほど複雑になっている中日関係の現状もあります。中日関係発展の歩みは決して順風満帆ではなかったが、これまでと大きく異なるのは、現在の両国関係が外部要因による著しい妨害を受けており、これまでにない新たな問題、リスク、課題が多く現れていることです。双方は、高度な危機感と責任感を持って、両国関係が航路から逸脱し、停滞、後退することがないよう、それを維持、発展する必要があります。その上で、困難に一層立ち向かい、新しい時代の要請に相応しい中日関係の構築を推進しなければなりません。このことが我々が時代に託された使命であり、駐日大使としての私の責務でもあります。
ご友人の皆様
着任して1カ月余りで、私は日本の各界の方々に集中的に挨拶回りをしてきました。皆様と一致しているのは、どんなに大きな困難に遭遇しても、中日関係の重要性は変わらず、中日平和、友好、協力の方向性を変えてはならない、中日関係の局面を打開する努力は止めてはならないということです。それに大変自信と勇気付けられました。新たな情勢の下で、ぜひ日本側と協力して、中日関係の改善と発展のために着実な努力を進めていきたいと思います。
まずは、相互信頼を増進しましょう。信頼の欠如という古い問題を根本的に解決しなければ、中日関係の安定的発展は実現し難いと、私は痛感しております。中国の対日政策は安定性と連続性を維持しており、中国は日本にとって昔も今も、そして将来も脅威ではありません。我々は、各レベルで日本側と対話や交流を維持し、疑念の払拭、理解の増進、相違の縮小に努め、中日が互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならないという重要なコンセンサスを真に実践し、中日関係の長期的かつ健全な発展の基盤をしっかりとさせていきたいと思います。
第二は、リスクをマネージしていきましょう。長年の懸案事項については、中日4つの政治文書の諸原則とこれまでの合意に従って、約束と信義を重んじて、有言実行で対応しなければなりません。新たに生じた矛盾や相違については、誠意と知恵を出して、共同でマネージし、解決する方法を模索すべきであります。外的要因による負の干渉については、初心を忘れず、自主性を堅持すべきで、決して中日関係を犠牲にさせてはなりません。
第三は、協力を深化させましょう。中日協力は互恵・ウィンウィンであり、両国の膨大な数の経済・貿易往来の背後には、数十万社の企業、数百万人の雇用、無数の個人と家庭がつながっています。中日間の協力は公平でオープン、包括的でバランスの取れた協力であるべきで、選択的になったり、一部を狙って規制したり、デカップリングやサプライチェーンを分断するようなことをしたりすれば、「ルーズルーズ」になるばかりです。我々は日本側とともに、協力ウィンウィンの基調を堅持し、開かれて円滑なサプライチェーンを維持し、両国民の福祉を守っていきたいと思います。日本企業が対中協力を拡大し、中国の質の高い発展とハイレベルな対外開放において、お互いより高度な互恵・ウィンウィンを実現することを歓迎します。
第四は、友好活動を活性化しましょう。民間友好は中日関係ならではの強みであり、友好人士が幾世代にもわたって築き上げ、受け継いできた素晴らしい伝統であります。我々は、中日友好が双方の根本的利益に合致すると固く信じており、「サイレント・マジョリティ」を沈黙のままにしてはならないと思います。今年は中日平和友好条約締結45周年にあたり、双方はコロナ対策が新たな段階に入ったことを契機に、人的往来を再開し、青少年交流を拡大し、両国の人々がフェイス・トゥ・フェイスのやり取りで心のふれあいを深め、友好感情を再構築するようにしなければなりません。
ご友人の皆様
習近平主席は、どんな遠い道でも、行けば必ず辿り着く、どんな難しいことでも、やれば必ず成し遂げると指摘しております。私は新しい駐日中国大使として、両国指導者の重要な合意の実行、両国関係の維持・発展のために全力を尽くす所存で、日本の各界のご友人からも一層のご支援を賜りたいと存じます。双方がお互い歩み寄って、手を取り合い努力して、新しい時代において中日関係のより良い将来を切り開いていくことを、心より願っております!