呉江浩駐日大使は5月17日、ロシア駐日大使館のオヴェチコ臨時代理大使と会見した。双方は中ロ関係の発展を高く評価するとともに、7カ国グループ(G7)の広島サミットについて意見を交わした。これには羅松濤公使参事官が同席した。
双方は、G7広島サミットが迫っていることに留意し、これまで明らかになった情報に強い懸念を表明した。そして次のような点で認識の一致を見た。第一、G7は国際社会の名を借りて、世界と地域の問題にあれこれ口出しし、ひそかにたくらみを抱いている。G7は国際社会を代表できず、G7のコンセンサスは全世界のコンセンサスではない。第二、G7は「ルールに基づく国際秩序」を盛んに言っているが、このいわゆるルールは西側のイデオロギーと価値観で定義されたルールであり、国際社会の共通のルールではない。第三、G7はいわれもなく中ロを攻撃・中傷し、盛んに虚偽の情報を流し、中ロに対する認知戦を仕掛け、国際社会をミスリードしようと躍起になっている。第四、G7は冷戦思考に耽り、陣営対決を引き起こし、各国の内政に干渉し、発展途上国の進歩を抑え込もうとしている。第五、G7は「経済的威圧」に反対すると言いながら実際には「経済的威圧」を行い、排他的な小グループをつくり、国際的な産業チェーンの安定を乱し、全世界の経済を脅かしている。
双方は、国連中心の国際システム、国際法を基礎とする国際秩序および国連憲章の目的と原則を基礎にした国際関係の基本的準則〈規範〉を揺るぎなく守り、あらゆる形の覇権主義、一国主義、強権政治に反対すべきことを再確認した。
双方は、普遍性、開放性、包摂性、非差別性および各国の利益に配慮する原則にのっとり、世界の多極化と各国の持続可能な開発を実現すべきことを強調した。
双方は、開かれた世界経済の構築を支持し、世界貿易機関(WTO)を中心とする多国間貿易体制を守り、「塀を築き障壁を設ける」ことや「デカップリング、産業チェーン・サプライチェーンの分断」に反対し、一方的な制裁や極限の圧力を加えることに反対するよう呼びかけた。
双方は、中ロの核心的利益を損ない、地域の平和と安定を乱し、各国の繁栄・発展を破壊するいかなる行為も断固たる反対に遭うに違いないと指摘した。