2019年12月11日華春瑩外交部報道官が定例記者会見

2019-12-11 10:00

 

 問:報道によると,米国のポンペオ米国務長官はロシアのラブロフ外相と会談し,その後の共同記者会見で現在,戦略的安定を脅かしているのはミサイルや潜水艦だけでなく,他の武器も含まれるとし,軍備管理の対話を拡大し,中国を含めるべきだとした.また中国の核戦力は確かに米ロと大きな差があるが,軍備管理対話はいかなる国に対しても核戦力を制限する意図はなく,建設的対話を進め,世界の安全・安定を守ることを目的としたものだとした.これについてコメントは.

 答:中国は何度も表明したように,いわゆる「中米ロ3カ国軍備管理交渉」に参加する考えはない.この立場は非常に明確であり,ロシアを含む国際社会から幅広い理解を得ている.米国は核軍縮問題でいつも中国を持ち出し,それによって核軍縮の責任を回避,転嫁しており,中国は断固反対する.

 世界最大,最先進の核兵器庫を有する国として米国は核軍縮での特殊な責任を確実に果たし,ロシアの新戦略兵器削減条約(新START)延長の呼びかけに応え,その膨大な核兵器庫を一段と減らし,他の核保有国が多国間核軍縮交渉に加わる条件をつくるべきである.

 世界の戦略的安定に真に関心があるなら,米国は条約破棄・離脱のやり方をやめ,世界の戦略バランス・安定を壊すネガティブな措置をやめ,大国の競争・対決をあおるのをやめ,多国間主義の正しい軌道に直ちに戻り,国際法に基づく国際秩序を確実に守り,既存の軍備管理と核不拡散の法律体系の権威と有効性を維持すべきだ.

 中国は国際軍備管理と核不拡散体系の維持に一貫して尽力し,国際軍備管理・軍縮プロセスの推進に尽力し,世界の戦略バランス・安定の維持に尽力している.各国とともに軍縮交渉会議や核保有5カ国などの枠組み内で意思疎通と協力を強化し,世界の戦略安定に関わる幅広い議題について議論し,世界の平和と安全に積極的に貢献する用意がある.

 

 問:ポンペオ長官は昨日再び声明を発表し,中国が宗教と少数民族を「抑圧」し,人々の自由を「侵害」していると非難し,また自由を愛する国から再び道徳的権威を認められたいなら,中国は人権と基本的自由の保護にあらためて努力する必要があると述べた.これについてコメントは.

 答:米国のこの声明で私はアンデルセン童話の「裸の王様」を思い出した.これはまったくのパロディーだ.何もないのに得意になっている.

 今日の米国に中国と人権,道徳を語る資格はない.昨日,私は中国のこの70年間の人権事業の偉大な成果を詳しく列挙した.中国の960万平方㌔の土地で戦乱の恐怖がなく,離散流浪する人もなく,56の民族が調和,共存し,8・5億人が貧困から抜け出し,14億人が落ち着いて楽しく暮らしている.また10年余り連続して世界のGDPの成長に対する寄与度が30%以上に達している.中国は人類発展史上,奇跡を起こしただけでなく,世界の人権事業の発展にも非常に大きく貢献し,世界各国から一致して称賛を得ている.

 米国をみると,国内の人種差別など人権問題が広がり,深刻化しているだけでなく,いたるところに手を伸ばし,他国の内政に介入し,「カラー革命」や政権交代をあおり,イラクやシリア,アフガニスタンなどで戦争を挑発し,罪のない人々を殺害し,自由と人権の名を借りて世界中でどれだけ悪事を働いているのだろうか.それだけでなく,国の力を使い,いわゆる国の安全保障を名目として乱用し,特定の企業に圧力をかけ,何かというとすぐに制裁のこん棒を振り回し,一国主義,保護主義をほしいままに進め,条約からの脱退や違反を繰り返し,世界の多国間の枠組みを損ない,壊しており,言えるような誇りなどまったくない.人々が顔を背けても,恥としないばかりか,光栄としている.すでに明らかに「山の上にある町」<頂点>から落ちてきているのに,まったく悟らず,人をあごで指図している.これに対し,われわれは米国内で理知的な反省とその声が増えていることに留意している.

 己を知ることは知恵であり,人の優れた点である.米国がこの点を認識するよう希望する.

 

 問:記者に関する問題について.きょう,米ジャーナリスト保護委員会は,少なくとも48人の記者が現在,中国に身柄を拘束されており,この数はあらゆる国の中で最も多いとする報告書を発表した.このことを確認できるか.

 答:まず,あなたが取り上げたこの組織は米国のものではないか.これだけ多くのことがあって,米国が操るこれらの組織はすでにいかなる信用もなくしている.そうではないか.

 第二に,48人の記者の身柄が拘束されたと言うが,外国人記者なのか,それとも中国人記者なのか.600人近い外国人記者が中国に駐在し,彼らはここで楽しく暮らし,仕事をしている.実際,あなたはワシントンではなく北京で仕事をしているのを幸運に思うべきだ.私は,最近米国では記者が何かを漏えいしたり間違って報じたりすると,すぐさま解雇されるという報道があったことに留意している.だからここにいるあなた方は幸運に思うべきだ.

 第三に,最近の香港の一連の騒動で,メディア報道によると,非常に多くの偽記者が違法なことをしているという.こうした偽記者がニュースメディア従事者の名声をおとしめる行為について,私は関連組織が報道するか,しかるべき非難をするのを見たことがない.

 最後に,あなたが取り上げた米組織の報告書の具体的状況について私はよく知らず,確認しようがない.だが中国は法治国家であり,何人も法律を超越することはできない.法律を犯せば,記者であれ公務員であれ,身分に関係なく,法的責任を追及されることになる.従って,この問題を取り上げる前に,まずこの40人余りが何か違法なことをしたのかどうか明らかにすべきだと考える.