中華人民共和国常駐外国報道機関及び外国人記者取材条例<全文>
2008-10-18 18:33

 第1条 常駐外国報道機関及び外国人記者の中華人民共和国内での法に基づく取材・報道の便宜をはかり、国際交流と情報伝達を促進するため、この条例を定める。

 第2条 この条例で常駐外国報道機関とは、外国の報道機関が中国国内に設立し、ニュース取材・報道業務に従事する出先機関をいう。

 この条例でいう外国人記者には常駐外国人記者と短期取材外国人記者を含む。常駐外国人記者とは外国の報道機関によって派遣され、中国国内に6カ月以上常駐し、ニュース取材・報道業務に携わる職業記者をいう。短期取材外国人記者とは、中国国内の滞在期間が6カ月を超えず、ニュース取材・報道業務に携わる職業記者をいう。

 第3条 中国は対外開放の基本国策をとり、法律に基づいて常駐外国報道機関及び外国人記者の合法的権利・利益を保障するとともに、それらが法に基づいてニュース取材・報道業務に従事するための便宜をはかる。

 第4条 常駐外国報道機関及び外国人記者は中国の法律、法規と規則を順守し、報道の職業道徳を順守し、客観的、公正に取材・報道を行わなければならず、その機関の性格又は記者の身分にふさわしくない活動をしてはならない。

 第5条 中華人民共和国外交部(以下「外交部」と略称)は常駐外国報道機関及び外国人記者に関する事務を主管する。国務院新聞〈訳註報道〉弁公室その他の省庁は、それぞれの職責の範囲内で常駐外国報道機関及び外国人記者に関連する事務を担当する。

 地方人民政府の外事部局は外交部の委託を受けて、当該行政区域内の常駐外国報道機関及び外国人記者に関する事務を処理する。地方人民政府の新聞弁公室その他の部局はそれぞれの職責の範囲内で、当該行政区域内の常駐外国報道機関及び外国人記者に関連する事務を担当する。

 第6条 外国の報道機関は中国国内に常駐報道機関を設立し、中国に常駐記者を派遣するときは、外交部の認可を受けなければならない。

 第7条 外国の報道機関は中国国内に常駐報道機関の設立を申請するときは、直接に又は中国の在外公館を通じて、外交部に以下の資料を提出しなければならない。

 (1)その報道機関本社の主要責任者が署名した申請書

 (2)その報道機関の紹介

 (3)設立しようとする機関の責任者、派遣しようとする常駐記者及び職員の紹介

 (4)その報道機関が所在国に設立されていることを証明する文書の副本

 第8条 中国国内に常駐報道機関を設立する申請が認可された場合、その常駐報道機関の責任者は中国に到着した日から7業務日以内に、外交部で本人の旅券を示して常駐外国報道機関証の手続きをとらなければならない。うち北京市以外の地区にある常駐報道機関の責任者は、中国に到着した日から7業務日以内に、外交部が委託した地方人民政府の外事部局に本人の旅券を示して常駐外国報道機関証の手続きをとらなければならない。

 第9条 外国の報道機関は中国への常駐記者の派遣を申請するときは、直接に又は中国の在外公館を通じて外交部に以下の資料を提出しなければならない。

 (1)その報道機関本社の責任者が署名した申請書

 (2)派遣しようとする記者の紹介

 (3)派遣しようとする記者が所在国で職業活動に携わっていることを証明する文書の副本

 二つ以上の外国の報道機関が同一人の常駐記者を派遣するときには、前項の規定によってそれぞれ申請手続きをとるとともに、それぞれの申請書にその記者が兼職している外国の報道機関を注記しなければならない。

 第10 条中国への常駐記者派遣の申請が認可された場合、派遣される外国の記者は中国に到着した日から7業務日以内に、外交部で本人の旅券を示して常駐外国人記者証の手続きをとらなければならない。うち北京市以外の地区にいる常駐記者は、中国に到着した日から7業務日以内に、外交部が委託した地方人民政府の外事部局に本人の旅券を示して常駐外国人記者証の手続きをとらなければならない。

 外国人記者は常駐外国人記者証の手続きをとった後、居住地の公安機関で居留証の手続きをとらなければならない。

 第11条 常駐外国報道機関が機関の名称、常駐地区などの事項を変更するときは、外交部に申請書を提出し、認可を受けた後変更の手続きをとらなければならない。

 常駐外国報道機関は責任者、事務所所在地などの事項を変更するときは、変更後7業務日以内に外交部に書面で告知しなければならない。うち北京市以外の地区の常駐報道機関が責任者、事務所所在地などの事項を変更するときは、変更後7業務日以内に、外交部が委託した地方人民政府の外事部局に書面で告知しなければならない。

 第12条 常駐外国人記者証の有効期間が満了し、延長する必要があるときには、常駐外国人記者は事前に外交部又は外交部が委託した地方人民政府の外事部局に申請し、期間延長の手続きをとらなければならない。期間が過ぎても手続きをしないときには、常駐外国人記者の資格を自動的に放棄したものとみなされ、その常駐外国人記者証は取り消される。

 第13条 常駐外国報道機関が業務を終了しようとするときには、業務終了の30日以前に外交部に告知し、かつ業務終了の日から7業務日以内に外交部又は外交部が委託した地方人民政府の外事部局で常駐外国報道機関証とその常駐記者の常駐外国人記者証の取り消し手続きをとらなければならない。

 常駐外国報道機関に10カ月以上連続して常駐記者がいないときは、同機関はすでに業務を自動的に終了したものとみなされ、その常駐外国報道機関証は取り消される。

 常駐外国人記者の中国滞在期間が毎年累計で6カ月より少ないときには、その常駐外国人記者証は取り消される。

 常駐外国報道機関はその常駐記者の離任に先立ち、外交部又は外交部が委託した地方人民政府の外事部局で同記者の常駐外国人記者証の取り消し手続きをとらなければならない。

 第14条 常駐外国報道機関証、常駐外国人記者証が取り消されたときは、一般に公表しなければならない。

 常駐外国人記者証を取り消された記者の記者査証は取り消しの日から10日後自動的に効力を失う。

 常駐外国人記者証を取り消された記者は、記者証取り消しの日から10日以内に、居住地の公安機関で関係の証明を示して、査証又は居留証の変更登録を申請し、手続きをとらなければならない。

 第15条 外国人記者が常駐し又は短期取材するときは、中国の在外公館又は外交部が権限を与えたビザ発給機関に申請して、記者査証の手続きをとらなければならない。

 第16条 外国人記者が国家元首、政府首脳、議長、王族又は政府高官に随行して中国を訪問するときは、その国の外交部又は関係省庁が中国の在外公館又は外交部が権限を与えたビザ発給機関に統一的に申請して、記者査証の手続きをとらなければならない。

 第17条 中国国内で取材をする外国人記者は、取材される単位〈事業所〉及び個人の同意を得る必要がある。

 外国人記者は取材にあたって、常駐外国人記者証又は短期取材記者査証を携帯しかつ提示しなければならない。

 第18条 常駐外国報道機関及び外国人記者は外事服務単位を通じて、補助業務に携わる中国公民を採用することができる。外事服務単位は外交部又は外交部が委託した地方の人民政府の外事部局によって指定される。

 第19条 常駐外国報道機関と外国人記者は取材・報道上必要がある場合、法に基づく許可手続きをとった後、無線通信設備を臨時に輸入し、設置し及び使用することができる。

 第20条 外国人が有効な常駐外国人記者証又は短期取材記者査証を取得せず又は所持しないで、中国国内でニュースの取材・報道活動をしたときには、公安機関がニュース取材・報道活動の中止を命じるとともに、関係の法律によって処分をする。

 第21条 常駐外国報道機関及び外国人記者がこの条例の規定に違反したときには、外交部が警告を与え、その業務活動の一時停止又は終了を命じる。情状が重いときは、常駐外国報道機関証、常駐外国人記者証又は記者査証を取り上げる。

 第22条 常駐外国報道機関及び外国人記者が中国の他の法律、法規及び規則・規定に違反したときには、法によって処分する。情状が重いときは、外交部が常駐外国報道機関証、常駐外国人記者証又は記者査証を取り上げる。

 第23条 この条例は2008年10月17日から施行する。1990年1月19日に国務院が公布した「外国人記者及び常駐外国報道機関管理条例」は同時に廃止する。