6月30日、施泳公使は日本の秋田県大館市、花岡平和記念会が主催した「花岡事件」中国人殉難者慰霊式に出席し、哀悼の意を表した。岡部研一秋田県知事代理、福原淳嗣大館市長、米娜・中国紅十字会連絡部長、遺族代表の周長明氏があいさつを述べ、地元の友好人士および各界の人々計200人余りが出席した。大使館の郭暁涵参事官が同行した。
施公使は在日中国大使館を代表して犠牲となった中国人労働者に対し、沈痛な面持ちで哀悼の意を表し、次のように述べた。強制連行は日本軍国主義による中国侵略の期間に起きた惨劇であり、1000人近い中国人労働者がこの地で過酷な労働を強いられ、数百人が虐殺された。この痛ましい歴史は深く心に刻まれるべきである。軍国主義による侵略の歴史に正しく向き合い、深く反省することは、戦後、日本が国際社会に復帰し、アジアの隣国と友好関係を再建し、発展させるための重要な前提であり、基礎だ。日本が侵略を深く反省し、歴史の教訓をくみとり、平和と発展の道を歩き続けることを希望する。大館市が「花岡事件」記念日を「平和記念日」と定めた意義もそこにあると信じている。
施公使は次のように述べた。現在、中日関係は重要な段階にある。昨年11月、習近平主席と岸田首相がサンフランシスコで会談し、両国の戦略的互恵関係を全面的に推進することを再確認し、中日関係発展のための前進方向をはっきりと指し示した。今年5月、李強首相と岸田首相がソウルで会談し、前述した努力の方向を再確認した。双方は両国指導者の重要な共通認識〈コンセンサス〉を実行に移し、「互いを協力パートナーと見なし、互いの脅威とならない」という政治的コンセンサスを実際の行動で体現し、新時代の要請にかなった建設的、安定的な中日関係の構築に努力すべきだ。
日本の代表は次のように表明した。「花岡事件」は悲惨な教訓を残した。人の自由や尊厳を無視するいかなる行為も決して許されず、日本は同じ過ちを繰り返してはならない。われわれはこの悲惨な歴史を後世に語り継ぐ重要な使命を担っており、殉難烈士のために慰霊行事を断固開催し、亡くなった人の安息を祈り、日中両国の子々孫々にわたる平和と友好、世界の恒久平和にしかるべき貢献をしていく。
1944年から1945年にかけ日本の侵略者は中国人戦争捕虜と労働者986人を強制連行し、秋田県の花岡鉱山で過酷な労働を強いた。1945年6月30日、700人の中国人労働者が蜂起したが、日本は2万人の軍隊・警察を派遣して鎮圧した。統計によると、1年間で計419人の中国人労働者がこの地で痛めつけられて亡くなり、歴史的に「花岡事件」と呼ばれている。1963年、大館市は花岡町の十瀬野公園墓地に「中国殉難烈士慰霊之碑」を建てた。1985年、大館市は6月30日を「平和記念日」と定め、犠牲となった中国人労働者のために毎年、慰霊式を行い、在日中国大使館の関係者が出席している。