王毅氏,北京―東京フォーラム開幕式であいさつ
外交部-驻外馆
2021-10-26 16:38

 王毅・国務委員兼外相は25日、第17回「北京―東京フォーラム」の開幕式でビデオメッセージを発表した。

 王氏は次のように述べた。現在、百年に一度の変局が深く進み、世紀の感染症の感染が起伏して続き、中日関係は鍵となる発展の節目に直面している。習近平主席は先ごろ、求めに応じ岸田文雄首相と電話会談を行い、双方は来年の中日国交正常化50周年を契機とし、新時代の要請にかなった中日関係の構築を図ることで一致し、合意した。両国指導者の積極的な互いの働きかけは中日関係の新局面を開くテーマを示し、両国関係の今後の発展の大方向を明確にした。

 王氏は次のように強調した。「五十にして天命を知る」で、中日国交正常化50周年を記念するうえで最も重要なことは国交正常化の初心を振り返り、中日間の四つの政治文書の精神を順守し、中日友好協力の使命を引き継ぎ、両国関係発展の正しい方向を一段とはっきりと、より透徹してつかみ、次の50年の発展の前途をより堅固に、より力強く開くことだ。

 1、相互信頼を再構築し、両国関係の政治的基礎を固める。ここに中日関係の鍵がある。堅固な相互信頼の基礎がなければ、中日関係は根のない木、源のない水のようで、真の長期安定は難しい。グローバルな視野と戦略的な目で、時代の発展に合致した相互認識と正しい位置づけを見つけ出さなければならない。日本が急速に発展する中国に一段と理性的、客観的に向き合い、「互いに協力パートナーで、互いに脅威にならない」という政治的共通認識(コンセンサス)を政策に反映し、具体的行動で実現することを希望する。歴史や台湾などに関わる問題は両国関係の政治的根幹に関わるもので、いかなる状況でも中日間の四つの政治文書の原則と精神を必ず厳守すべきで、わずかでもあいまいさがあってはならないし、さらには一線を越えようとしてはならない。

 2、協力をレベルアップし、両国のより高いレベルの互恵を実現する。それぞれの発展に伴い、中日双方が互いに必要とし、優位性によって補完するファンダメンタルズは変わっていないし、変わることはなく、協力の潜在力は依然巨大である。中国はダブル循環の新たな発展の枠組み構築に尽力し、日本は成長と分配の両方を考える新たな発展理念を打ち出しており、中日協力はタイプ転換・高度化の新たなチャンスを迎えている。双方は産業協力を深め、グローバル産業チェーン・供給チェーンの安定を共に守るべきだ。デジタル経済協力を強化し、両国の経済と民生を推進しなければならない。炭素排出削減協力を強化し、両国のカーボンニュートラル目標設定を契機とし、気候変動アジェンダを推進すべきだ。

 3、意見の相違をコントロールし、両国関係の安定発展のため負担を減らし、障壁を排除する。中日関係で意見の相違を回避することは難しい。鍵は適切にコントロールし、意見の相違で両国関係が定義され、主導されることのないようにすることにある。具体的係争に対し、双方はこれまでの共通認識(コンセンサス)を順守し、外部要因による妨害を排除し、対話を通じて小異残して大同につき、枠組みを通じて危機をコントロールし、協力を通じて利益を共有すべきだ。人権と価値観の問題で双方は小異を残して大同につく態度で誠実に対話し、信頼を増進し、疑念を解消することができる。これらの問題にかこつけて発言し、他国の内政に干渉する手段にしてはならない。

 4、交流を拡大し、両国関係の社会環境を改善する。国と国の交わりは民の親しさによる。近年、幾つかの悪意のあるでっち上げと下心ある挑発で、両国民の互いの認識、交流に幾つか問題が見られる。双方は地理的に近く、文化的に相通じている独特の優位性を十分生かし、今年と来年の2年間の「中日文化スポーツ交流年」、北京冬季オリンピック大会、中日国交回復50周年を契機とし、柔軟な方法で各分野の相互交流を強化し、中日友好を一段と生き生きとした立体にし、一段と時と共に進み、一段と人心に深く根付かせなければならない。双方は将来を見据え、青少年交流を永続的に推進し、中日友好事業の後継者を育成しなければならない。

 5、協力を強化し、両国関係に一段と広い視野をもたらす。中日は地域と世界の重要な国として、手を携えて協力し、双方の共通の利益にかなった未来を共に築く。アジアの振興を共通の目標とし、さまざまな外部の妨害を排除し、地域の平和と安定の大局の維持に尽力し、アジアの地域協力と統合プロセスを共にリードしなければならない。真の多国間主義を実践し、「新冷戦」や「小グループ」に反対し、手を携えてグローバルな課題に対応し、現在の世界により多くのプラスのエネルギーを注入しなければならない。

 王氏は次のように述べた。中日両国の先賢は共に「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は恐れず」の境地を追求している。「北京―東京フォーラム」は中日関係を宣伝、討論、促進する重要なプラットフォームで、両国の有識者が互いに積極的に働きかけ、勇気をもって提言し、新時代の中日関係の発展に正しく透徹した見解で貢献することを希望する。

 「北京―東京フォーラム」は2005年に創設された。毎年1回開催される、両国間のレベルの比較的高い、規模が比較的大きな、官民が互いに働きかける交流プラットフォームで、今回のテーマは「不安定化する世界での中日関係と国際協調の修復、国交正常化50周年に向けて」。