王毅氏、中日国交正常化50周年シンポにメッセージ
2022-09-13 07:49

 2022年9月12日、王毅・国務委員兼外相は中日国交正常化50周年記念シンポジウムの開幕式でビデオメッセージを発表した。



 王毅氏は次のように強調した。50年前、両国の先輩指導者は卓越した戦略的視点と政治的度量・見識で、冷戦の固い氷を打ち破り、度重なる妨害を排除し、中日国交正常化実現を政治決断し、両国関係史の新たな1ページを開いた。この50年間、双方は四つの政治文書と一連の重要な共通認識(コンセンサス)を得て、両国関係の政治的法律的基礎を固め、各分野の実務協力で多くの成果を収めた。孔子は「五十にして天命を知る」と言った。善隣友好の付き合いとアジアの発展・振興がまさに中日両国の運命に関わるもので、初心であり、責任である。

 王毅氏は次のように述べた。現在、世界は揺れ動き、目まぐるしく変化し、中日関係は前進しなければ後退する。間もなく始まる次の50年の征途の中で双方は国交樹立の初心を再確認し、歴史の経験をくみ取り、中日関係を正しい軌道に沿って健全かつ安定して発展させなければならない。また新時代の要請にかなった中日関係の構築を考え、両国関係に新たな内容と原動力をもたらさなければならない。

 王毅氏は新時代の要請にかなった中日関係の構築について五つの見解を述べた。

 1、信義・約束を守り、中日関係の政治的基礎を守らなければならない。先賢は「国人と交わっては信に止まる」と言った。両国関係の末永い安定を確保するには中日間の四つの政治文書とこれまでの約束を厳守しなければならない。歴史や台湾など中日関係の根本に関わる重大な原則的問題に対し、わずかでもあいまいさがあってはならず、さらには揺らぎや後退を容認しない。

 2、大局に目を向け、正しい発展方向を捉えなければならない。双方は常に戦略的、長期的視点で両国の根本的利益から出発し、「互いに協力パートナーとなり、互いに脅威とならない」政治的共通認識を政策面に反映させ、行動の中で実現し、妨害を排除し、相違点を適切に処理し、中日関係という船が座礁したり、航路を外れたりしないようにしなければならない。

 3、協力を深め、より高いレベルの互恵ウィンウィンを実現しなければならない。中日の協力はより幅広い発展の余地を前にしている。双方はパートナー意識をしっかり確立し、グローバルな視野を堅持し、「デカップリング・チェーン断裂」の誤ったやり方を共同で阻止し、世界の産業チェーン・サプライチェーンの安定・円滑と貿易・投資環境の公平・開放を維持しなければならない。

 4、指導を強化し、積極的友好の相互認知を築かなければならない。中日の民間交流は歴史が長く、時代と共に前進し、継承、発揚しなければならない。相互認知は「和して同ぜず、和をもって尊しとなす」を堅持し、自らの価値観を相手に押しつけるのを回避しなければならない。両国政府とメディアは両国人民の客観的友好の相互認知のための良好な環境を築かなければならない。

 5、大勢に順応し、真の多国間主義を実践しなければならない。百年に一度の変局と世紀の感染症に直面し、中日は地域と世界の重要な国として、多極化、グローバル化、文明多様化、地域統合の時代の潮流を見極め、国連を核心とする国際体系を守り、ゼロサムゲームと陣営対抗に共同で反対し、地域の安定と融合発展を促進し、世界により多くのプラスのエネルギーを注入しなければならない。



 王毅氏は次のように強調した。中日は一衣帯水で、葦の小船でも渡れる。両国は山河が異なろうとも風や月は同じ天の下にある。中日関係の次の50年を前にして、双方は歴史が付与した責任を担い、前人に恥じない、後世に背かない正しい選択をして、中日関係が絶えず高いところ、幅広いところに向かうよう促し、新時代の中日関係の輝かしい前途を開き、両国人民により多くの幸福をもたらし、地域と世界の平和と発展により大きく貢献しなければならない。

 日本の林芳正外相はビデオメッセージの中で次のように述べた。日中国交正常化からこの50年間、両国関係は極めて大きな発展を遂げた。双方は大平正芳元首相ら両国の先輩の知恵と勇気を銘記し、今後50年を見据え、建設的で安定した日中関係を築くため共に尽力しなければならない。

 シンポジウムは在日中国大使館と日本経済団体連合会の共催で、中国社会科学院と日中友好7団体がそれぞれ協賛した。テーマは「歴史を総括し、未来を共に築く」で、オンラインと対面を結びつけた方式で開かれ、北京と東京にそれぞれ会場が設けられた。中日両国各界の友好関係者代表が出席した。