人の生命は何よりも尊いーー白書「新型コロナウイルス肺炎に立ち向かう中国の行動」解説その2
2020/06/19

 感染発生当初、中国政府は湖北省と武漢市に対し、果断に全面的かつ厳しい規制措置をとり、感染の伝播と蔓延を迅速に押さえ込み、さらに多くの人が感染するのを効果的に回避した。しかし、中国の積極的な感染対策は一部の者の目には、いわゆる「人権侵害」、「自由の制限」に映った。ところが他国が類似した措置をとった際には、「感染対策の模範」とされた。こうしたダブルスタンダードは全く理解に苦しむものだ。このたびの感染予防・抑制において中国政府が最も重視したのは一貫して民衆の生命権と健康権だ。誰がより良く人権を守ったのかと言えば、それはまさに中国である。

 (一)人民の生命と経済利益の間で果断に生命至上を選択した。感染勃発後、中国政府は一時的に経済が減速し、さらには短期的に「ストップ」したとしても、人民の生命と健康に責任を負う大きな勇気を奮い、湖北省と武漢市に対し果断に史上例をみない全面的かつ厳しい規制措置をとった。同時に、全国規模で人の移動を厳しく制限し、春節〈旧正月、今年は1月25日〉の休暇を延長し、人が集まる活動を中止し、全国の企業と学校の業務・授業再開延期を決定した。英国の医学誌『ランセット』は社説で、「中国の成功は大きな社会的・経済的代償も伴った。中国は困難な決定を下さざるを得なかったが、これにより国民の健康と経済の保護の間で最良のバランスをとることが出来た」としている。

 (二)あらゆる代価を惜しまず生命を救った。感染初期、中国は治癒率引き上げと死亡率引き下げを第一の重要任務とし、医療救護陣を急速に充実させ、優れた資源を救護の第一線に集め、生後わずか30時間の嬰児から100歳を超える高齢者にいたるまで、代価を惜しまずすべての患者を救った。武漢市の重症指定病院では重症患者9600人余りを収容・治療し、治癒に向かう患者の割合が14%から89%に高まり、一般的なウイルス性肺炎の平均的な治癒レベルを超えた。基礎疾患を持つ高齢患者については、一人につき一つの治療プランを作成し、一縷の望みでもあれば決してあきらめず、救助する必要があればスタッフ・薬品・設備・経費を全力で保障した。感染発生以降、湖北省では80歳以上の新型コロナ肺炎患者3000人余りと100歳以上の患者7人の治癒に成功し、多くの重症高齢患者が死線を乗り越え救われた。ある70歳の新型コロナ肺炎患者に対しては、10人余りの医療従事者が数十日間にわたり精一杯看護し、ついに生命を救うことができた。150万元〈1元=約16円〉近い治療費はすべて国が負担した。

 (三)無料救護を実施した。中国政府は感染予防・抑制のための資金を適時〈タイムリー〉に支給し、費用の問題で患者の受診に支障が出ないよう、各地で資金問題により医療救護と感染予防・抑制に支障が出ないようにした。5月31日までに、全国各級の財政に感染予防・抑制のための資金計1624億元が計上された。全国で診断が確定・入院した患者の精算数は延べ5・8万人で、医療費の総額は13・5億元、1人当たりの医療費は約2・3万元だった。そのうち重症患者の1人当たり治療費は15万元を超え、一部の重篤患者の治療費は数十万元、さらには100万元に上ったが、すべて国が負担した。

 (四)海外の中国公民に関心を寄せた。国はいつも海外の中国公民の安否を気遣い、有效な措置によって地元の華僑・留学生・中国企業の従業員などの安全を保障するよう関係国の政府を促し、支援した。医療専門家チーム、作業チームを派遣し、遠隔医療サービスプラットホームを開設し、海外の中国公民に科学的・専門的な感染予防・抑制指導を提供した。外国と調整して海外で感染が確認された中国公民の救護に全力を上げ、国内の専門家・海外援助医療チームなどの資源を十分に動員し、外国による救護を積極的に支援し、これに協力した。在外公館は領事保護の職務を果たすために尽力し、各種のチャンネルを使って感染防護の知識をPRし、留学生に100万点余りの「健康パック」を支給した。また海外で困難に見舞われている中国公民の秩序ある帰国をサポートした。

 (五)国の名で犠牲者を追悼した。4月4日の清明節に全国的な追悼行事を行って、感染との闘争で犠牲となった烈士と死去した同胞に深い哀悼の意を表し、春の訪れを待てなかった生命に黙祷を捧げ、自らの命で命を守ったすべての英雄に敬意を表した。最高指導者から一般の民衆まで、14億の中国人民が最も深い思いで、犠牲となった烈士と死去した同胞を送った。中国が国の名と最高の儀式で死者を祀ったのは人民個人の尊厳と生命を尊重し畏敬することであり、14億中国人民の集団的感情の背後にある団結と力であった。

 政府が民衆をどう扱うかで、民衆は政府を評価する。この感染予防・抑制において、中国政府の予防・抑制措置は圧倒的大多数の民衆から擁護・支持された。生命と健康の権利を守ることこそ他のあらゆる権利を行使する前提であること、そして自主規制が自身と家族に対する責任であり、他者と社会に対する責任でもあることを民衆がはっきりと分かっているからだ。人の生命は何よりも尊い。未知のウイルスの突然の襲来を前に、われわれは必ずあらゆる手を尽くし、いかなる代価も惜しまず人民の生命と健康を守らなければならない。これこそ感染と闘い、人権を守ることの真の意義である