新華網論評:釣魚島は日本の深い反省のスタート地点になるべきだ
浦来寧
2012/10/23
 

   日本政府はこのところ、釣魚島問題のために大変「頭が痛い」。一方で、釣魚島の本当の主人―中国の強い非難と強力な追及の下に、「島を盗んだ」自分の行為がますます白日のもとにさらされ、道理が通らず言葉に詰まり、てんてこ舞をして対応しきれない境地にある。他方で、日本国内の民衆も頻々と「反発」し、釣魚島「国有化」を批判する声があちこちで起こっている。

   先ごろ、ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏を含め、1000人を超える日本の市民が連名で声明を発表し、政府に対し釣魚島をめぐる領土係争の存在を認め、歴史問題を誠実に反省するよう求めた。NHKテレビの世論調査でも、半数近い日本国民が中日関係の早期改善を望んでいる。

   日本政府が釣魚島問題で、今日の「内外に顔向けならない」状態に陥ったのは、完全に身からでたさびである。しかし日本政府が間違ったのにまったく価値がなかったわけではない。それは少なくとも、もし日本が対中関係の処理にあたって、引き続き歴史回避の態度をとり、さらには世界反ファシズム戦争の勝利の成果を否定したり第二次大戦後の国際秩序に挑戦したりすれば、その結末としては失敗以外のいかなる選択肢もないことを再び証明している。

   歴史問題は中日関係の政治的基礎にかかわるものだ。日本にとって、現在、釣魚島問題と対中関係で最も重要なのは、旧日本海軍が使った言葉をもちだして強硬さを示すことでも、外務大臣を欧州に派遣して対外宣伝を強めることでもなく、政治的意思と政治的英知を示して、しっかりと深く歴史を反省することである。そして近代に犯した侵略と戦争の犯罪行為について内心からの懺悔をするとともに、実際の行動を通して中国を含むアジアの隣国の許しと信頼を勝ち取とらなければならない。これは中日関係を発展させるための根本的な道であるだけでなく、日本がアジア諸国と平和で安定した関係を築くための唯一の正しい選択である。

   本当に責任ある国は、歴史を直視し、過去に犯した誤りを正すよう努力すべきだ。第二次大戦中の戦争犯罪に関して、ドイツと日本のやり方はまったく違っている。片や虚心に謝罪し、歴史を鑑とし、片や自らを欺き人をも欺いて、今日になってもなお戦犯を英雄として祀り、拝んでいる。歴史問題で、日本はドイツによく学ぶべきだ。

   歴史問題でこそこそと隠し立てする日本は、アジアと世界にとって極めて危険である。それは軍国主義が日本でなお市場をもち、息を吹き返す可能性があることを示している。日本国内で右翼勢力が台頭している今日、歴史の結論を覆し、第二次大戦後の国際秩序を変えようとする日本側のあらゆる行動に全世界がとりわけ警戒心をもつべきである。釣魚島は日本が歴史問題を深く反省するスタート地点になるべきだ。

   アジアと世界の人民にとって、日本が歴史問題を正しく認識するための好ましい外部の政治環境を整えることが差し迫って必要になっている。このような大きな環境の下で、日本が第二次大戦の歴史を認め、南京大虐殺を認め、他国の女性を強制的に「慰安婦」にした犯罪を認めるか否かは、「外交問題」であるだけでなく、さらに国際政治と中心的価値観において、「政治的正しさ」が問われる問題となるだろう。靖国神社参拝はもはや少数の政治屋が政治的元手をかせぐ手段ではなく、「政治的自殺」に等しくなるだろう。このような国際環境が一日も早く築かれることは、日本の平和的発展に役立つし、アジアと世界の福祉〈幸福〉でもある。

(執筆者は国際問題オブザーバー)