中日の行き詰まり打開のカギはどこに
2012/10/24
 

   最近、米民主、共和両党の元政府要人からなる超党派の代表団が日本と中国を訪問した。

   代表団の訪問の主題は明確で、つまり現在の釣魚島の事態である。代表団メンバーのスタインバーグ元国務副長官の言葉を借りれば、中日双方は釣魚島問題で「共に自らの立場を主張し続けているため、気をつけないと緊張情勢が拡大する可能性があり、さらには衝突の危険さえある」。

   現在の中日関係の厳しい局面は日本側が一方的につくり出したものだ。日本は中国側の反対、警告を顧みず、あくまでも釣魚島の紛争をあおった。中国は領土主権という国の中核的利益を守ることから出発し、日本側の再三の挑発に対し、強い対抗措置をとっている。釣魚島の事態が燃え広がり、両国の経済・貿易などの分野の交流と協力が深く影響を受けている。

   最新の統計データでは、日本はこの数カ月の対外貿易が巨額赤字となっており、そのうち9月の対中輸出が14・1%減と激減した。日本の貿易の落ち込みの原因は一つにとどまらないが、日本の世論から繰り返し指摘されている一つの要因があり、それは現在の釣魚島の事態である。もとより日本の貿易立国戦略は岐路にあり、また釣魚島紛争が日本経済に対し実質的影響を与え始めており、そのため日本経済の回復見通しの不確実性が増大している。

   中国は敢えて経済手段で日本を制裁しようとしたことはないが、両国関係の行き詰まりは経済・貿易分野に必然的に波及している。日本の対中経済・貿易の動きが逆転し、低迷状況が現れており、これは日本の「自業自得」を示しているだけだ。日本経団連の米倉弘昌会長の言葉を借りれば「日中は経済面の相互補完と相互依存の程度が高く、関係悪化の状態に長期間停滞させることはできない」。

   客観的に言って、上述の米国代表団は無論、中日関係に関心を寄せる日本の有識者も、みな中日両国が釣魚島問題で矛盾の激化を避け、暴発を防ぐことを希望し、行き詰まりの打開を目指すだけでなく、「中日の対立の長期化」を警戒している。中国は中日関係と地域協力の大局という重要な利益を守ることから出発し、日本に対し対話によって問題を解決する扉をずっと開いている。

   だが中日の行き詰まり打開のカギは中国にはなく、日本と米国にある。

   俗に、まいた種は刈らなければならないと言われる。日本は釣魚島問題で悪例をつくり出し、米国は助長した。まさに1世紀余り前、日本は釣魚島を窃取し、第二次世界大戦後には米日が釣魚島を秘密裏に授受し、釣魚島問題を招いた。日本と米国は現実を見ない自己欺瞞の政策をやめ、その歴史的誤りを直視する必要がある。日本について言えば、歴史的事実をかくし、ねじ曲げ続けるなら、自らの歴史的重荷をますます重くし、釣魚島問題の適切な解決に障害となるだけである。米国について言えば、もともと釣魚島問題の経緯を十分知りながら、歴史的責任を避け、どっちつかずの外交の言葉で釣魚島が中国に帰属する歴史的事実をあいまいに処理するのは、釣魚島に対する日本の幻想を助長するだけだ。

   古人の言によれば、巧みなうそは拙い誠に如かずである。釣魚島問題は日本と米国のアジア太平洋戦略と対中政策を検証する試金石となっている。一時期からの事実が証明しているように、釣魚島問題で日本がどんなに深謀遠慮をはかり、手練手管を弄しても、結局、往々にしてかえってまずい結果となる。米国はうわべでは公正のようだが、実際は日本に加担する姿勢で、あたりさわりないようにしようと考え、結局のところ、往々にしてジレンマに陥る。中日の行き詰まりを打開するには、日本は〈二枚舌の〉二面派のやり方をやめ、誠意をもって交渉のテーブルに着く必要がある。米国は言行を一致させ、釣魚島の主権問題で真に「立場を取らず」、日本に多くの幻想を与えるのを避ける必要がある。

   もとより中国は日本と米国が地域の平和、安定、繁栄の共通の利益から出発し、かたくなで、狭隘な考えを理知的、戦略的考えに代えて、中日の釣魚島紛争を考え、処理することに希望を託している。しかし、中国は過度の望みはしておらず、いつでも対策を次々に打ち出し、自らの立場を示す準備をしている。

   しかし、米国の元政府要人代表団の今回の行動が中日の行き詰まり打開に建設的役割を果たすことを願っている。

(国際問題専門家、華益文)