釣魚島の紛争が続くと必ず日本経済の足かせとなる
2012/10/26
 

   10月22日、日本の財務省が公表した統計データによると、今年度の上半期(4―9月)、日本の貿易収支の輸入超過〈赤字〉は3兆2190億円で、1979年に比較可能なデータができて以来の半年度の最大を更新した。このほか、日本の9月の対中輸出は14・1%も激減し、貿易赤字は3295億円に達し、同期では30年ぶりの過去最大を更新した。専門家は、中日外交摩擦が続けば、日本経済が不景気の時期に入り、さらには全面的な景気後退を引き起こすのは避けられないと指摘している。

   まず、日本がむやみに「島の購入」を進めたことの経済的損失は、極めて大きい。日本政府の不法な「島の購入」の行為は、中国人民の強い憤りを招き、中国では人々が大規模に自発的に日本製品をボイコットするうねり〈運動〉を引き起こした。日本車の中国での販売は大幅に減少し、今年9月、日産、トヨタ、ホンダ、スズキ、マツダなどの主な会社の販売台数の減少幅はそれぞれ35・3%、48・9%、40・5%、44・5%と35%に達し、富士重工業と三菱自動車の減少幅は60%を上回った。中日双方の人の往来は大幅に減少し、中日航空路は6万余りの座席の予約がキャンセルされ、第4四半期に日本を訪れる中国人観光客の数は70%下がり、日本の観光収入は670億円減少するとみられる。日本の研究機関である「大和総研」の報告書は、今年の日本の対中輸出は1兆円減少し、日本のGDPを8200億円引き下げるとしている。

   次に、中国にはさらに潜在力があり、日本よりも持ちこたえられる。近ごろ多くの日本人は「日本企業が撤退して株価が暴落するのは中国だ」とわめきたて、中国はこのために悲惨な代償を払うことになると言っている。中国国内にもいくつか異なった声〈意見〉がある。これらの見解は、ちょっと聞くといくらか道理があるようだが、実際には故意に大げさなことを言って人を驚かせているのだ。確かに、日本経済は発達していて、実力は十分あり、技術研究・開発、機械製造、電器・電子などの分野には先発の優位性がある。しかし、新たな産業革命の中で、日本の優位性は徐々に失われ、日本製品の代替品が次々と現れている。このところ、一部の国はすでに中日間の衝突を利用して、積極的に機先を制し、中国市場を押さえている。中国汽車行業〈自動車業者〉協会の統計によると、前年同期に比べ、9月の日系企業の自動車の販売台数は40・8%減少し、ドイツ、米国、韓国とフランスの企業の自動車販売台数はそれぞれ13・8%、15・1%、9・4%と9・2%増加した。その他の分野でも同様の局面が現れている。

   日本と比べて、中国は国土が広大で、人口が多く、資源が豊富で、工業化、都市化(町を含む)、情報化と近代化の過程にあり、巨大な潜在力と発展の余地がある。中国は、技術イノベーション、産業構造の調整を通して、絶えず日本との開きを縮めるよう現在積極的に努力している。日本の資金、技術、製品と市場は、中国にとって、他のもので代替できないわけではない。同時に、日本は釣魚島の紛争を挑発し、中国人民が一致して敵に立ち向かい、国をつくる意識と決意を奮い立たせ、中国人民を前例のないほどに団結させ、衆知を集め大勢の力を合わせて国の発展に打ち込ませることになった。中日が経済・貿易戦争を始めれば、中国は日本よりも持ちこたえることができる。

   最後に、日本が中国に挑むならば、再び発展のチャンスを逸する可能性がある。日本にとって、中国は産業移転の拠点であり、最も重要な市場でもあり、日本経済の発展にとって、他のもので代われない特別な支えの役割を持っている。日本の将来は中国にある、これは日本の各界の幅広い共通認識である。過ぎたばかりの20年間、日本経済の歩みはよろよろとしていて、中国経済の急速な発展で日本は「息をつく」ことができた。近年、日本の人口、産業、企業の老化、投資の萎縮、産業の空洞化、政府債務の悪化などの問題が日増しに際立ち、経済発展の先行きははっきりせず、中日の経済・貿易の衝突が激化すれば、おそらく日本経済を下降ルートに引き入れるだろう。

   現在世界的金融危機が継続し、世界経済は低迷し、対外投資、輸出に依存する日本は生死の試練に直面している。日本はすでに20年を失った。引き続き隣国と仲たがいすれば、おそらく再び今後20年の発展のチャンスを逸するであろう。日本国民の幸福のため、東アジアの安定・繁栄のため、日本政府は必ず情勢をはっきりと見極め、誤りを正し、釣魚島などの問題を適切に解決して、隣国との相互信頼を再び立て直し、日本経済が永遠に回復できない境地に進むことを避けなければならない。

(国際問題専門家・慕永鵬)