過去を受け継ぎ未来を切り開き,共に平和を築こう--中国人民解放軍建軍94周年を記念して
2021/07/29

過去を受け継ぎ未来を切り開き、共に平和を築こう

——中国人民解放軍建軍94周年を記念して

中華人民共和国駐日本国大使館国防武官皇甫 群星少将

2021年7月

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 1921年、中国に共産党が誕生し、それは天地開闢(かいびゃく)以来の大事変でした。1927年、人民が子弟兵を持つようになり、それは驚天動地の大事件でした。先ごろ、私たちは中国共産党の100歳の誕生日を盛大に祝い、習近平総書記が中国は第1の100年の奮闘目標を実現し、いま第2の100年の奮闘目標に向かってまい進していると厳かに宣言しました。100年の道のりを回顧すると、中華民族が独立・解放をかちとり、偉大な復興へ踏み出すときは、いつも党の絶対的指導下の英雄的人民の軍隊に頼っていました。

 これまでずっと、中国の軍隊は党から大いに信頼されてきました。人民の軍隊は党がつくり、成長の過程は党が育てました。世界で一つの軍隊の運命が一つの政党とこのように固く結びついた例はありません。誕生の日から、中国共産党の率いる人民の軍隊は、幾多の硝煙・戦火を経、大きな犠牲を払って、一つまた一つと輝かしい勝利を収め、中国人民が立ち上がり、豊かになり、強くなるために不滅の功績をたてました。国を強くするには軍を強くしなければならず、軍が強くなってはじめて国は安らかになる。新時代に入って、中国の国防・軍隊整備は党の指導下に歴史的成果を収め、歴史的変革をとげ、歴史的突破をはかりました。そして軍隊強化・興隆の事業はまったく新しい局面を絶えず開き、いま世界一流の軍隊の全面的建設という目標に向かって大股で前進し、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に強固な保障を与えています。台湾問題を解決し、祖国の完全統一を実現することは中国共産党の終始変わらぬ歴史的任務です。世界に中国は一つしかなく、台湾は中国の不可分な一部であり、中国を分裂させるいかなる企てもうまくいくことはなく、何人も国家の主権と領土保全を守る中国の軍隊の強固な決意、確固たる意志、強大な能力を過小評価してはなりません。

 これまでずっと、中国の軍隊は人民から大いに称賛されてきました。江山〈国家権力をさす〉は人民にほかならず、人民は江山にほかならなりません。中国の軍隊はつねに「人民の幸福をはかり、民族の復興をはかる」という初心・使命を固く守っており、敵のいるところ、危難のあるところ、どこでも人民の子弟兵がいます。新型コロナウィルスとの闘いで、中国の軍隊は人民中心の思想をしっかりと持ち、命令一下出動し、勇敢に重任を担い、敢然と激戦をたたかい、全国の感染症予防・抑制の大きな戦略的成果のために際立つ貢献をしました。貧困脱却の堅塁攻略の決戦・決勝で、全軍の部隊は旧革命根拠地、少数民族地区、辺境地区、地続きの特別困窮地区を重点に、4100の貧しい村を継続的に支援し、92・4万人の大衆が貧困から脱けだすのを助けました……地震時の災害救援から洪水時の救出活動まで、地方の経済・社会発展の支援から社会の大局安定取り組みへの協力まで、人民の軍隊は人民の中から生まれ、人民の中に根を下ろし、人民に奉仕し、つねに人民と呼吸を合わせ、運命を共にし、心をつないでいます。

 これまでずっと、中国の軍隊は世界から大いに尊重されてきました。「世界がよくなってこそ、中国もよくなれ、中国がよくなってこそ、世界はもっとよくなる」。国際情勢がどう変わろうとも、中国はつねに平和的発展の道を堅持し、防御的国防政策を揺るぎなくとっており、中国の軍隊はつねに世界の平和と安寧をまもる確固たる力です。国際平和維持では、中国は国連安保理5常任理事国の中で、PKO要員を最も多く出しており、1990年からこれまでに延べ5万人余りを派遣し、30余りのPKO活動に参加しました。船舶護衛では、2008年から現在までに、38次の護衛編隊、延べ100隻余りの艦艇をアデン湾、ソマリア冲に派遣しました。コロナ感染症対策協力では、数十カ国の軍隊に防疫物資援助を提供するか、感染対策専門家チームを派遣するとともに、パキスタン、カンボジア、モンゴル、モーリタニア、ギニア、モザンビークなどの軍隊に新型コロナウイルスワクチンを援助しました。今後も、中国の軍隊はこれまで通り、国際軍事交流・協力を繰り広げ、中国の国際的地位にふさわしい責任と義務を積極的に果たし、人類運命共同体構築のために積極的に力を出して参ります。

 中日両国は一衣帯水で、文化が溶け合い、利益が混じり合い、引っ越せない隣人です。中日関係をよく発展させることは両国と両国人民の根本的利益に適うだけでなく、地域ひいては世界の繁栄・安定にも重要な意義があります。昨年以来、両国の防衛当局はコロナ感染症の影響を克服して、引き続き各レベル各分野の交流を繰り広げ、二国間関係の安定・発展を守るために積極的な努力を払いました。両国の防衛相はビデオ協議を実現させ、ハイレベル往来と実務協力の強化および建設的な二国間安全保障関係の積極的構築で重要なコンセンサスを得ました。中国国防大学と日本防衛研究所は、オンラインの戦略安全保障セミナーを実現させ、両国の防衛当局はさらに、海空連絡メカニズムホットラインの設置について緊密な協議を続けてまいりました。

 来年中日国交正常化50周年を迎えますが、私たちは日本と共に大局に着目し、大勢をつかみ、戦略的意思疎通を強化し、防衛分野の交流と協力を推進すること、そして矛盾と食い違いを適切に管理し、「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」という政治的共通認識を実践し、開放、協力、ウィンウィンの精神の下で、手を携えてグローバルな安全保障上の挑戦に対応し、共に中日関係の改善と発展をはかり、共に地域と世界の平和・安定を守って参りたいと存じます。