孔鉉佑駐日大使,建軍節のご挨拶

中華人民共和国駐日本国特命全権大使孔鉉佑

2021年７月

　８月１日は中国人民解放軍建軍９４周年記念日にあたっており、謹んで人民解放軍に祝意を表明し、その勇敢な、献身、犠牲の精神に最高の敬意を表します。

　今年７月１日、私たち中国共産党の１００歳の誕生日を盛大に祝いました。習近平総書記は、中国が第１の１００年の奮闘目標を実現し、いま第２の１００年の奮闘目標に向かってまい進していると厳かに宣言し、全国人民を大いに奮い立たせ、その力を大きく結集しました。１００年の道のりを振り返れば、中国共産党は中国人民の幸福をはかり、中華民族の復興をはかるという初心と使命を鋭意実行し、代々の共産党員が先人の屍を越えて進み、中国人民を団結させ引っ張って、国家の独立と民族の尊厳を勝ち取りました。そして「立ち上がる」、「豊かになる」から「強くなる」への歴史的飛躍を実現し、中華民族の偉大な復興という明るい未来を迎えました。

　英雄的な人民の軍隊は誕生の日から、中国共産党の旗印の下で揺るぎなく前進し、中国共産党と中国人民の発展の歩みにしっかりついてゆき、犠牲を恐れず、私心なき献身によって、祖国の安寧と人民の幸福を守り、世界の平和と人類の発展を守っています。目下、中国の軍隊は習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想を導きに〈新時代の中国の特色ある社会主義に関する習近平総書記の思想を指針に〉、習近平強軍思想〈軍隊の強化に関する習近平総書記の思想〉を徹底して貫き、建軍１００年にあたっての奮闘目標の実現に焦点を当て、中国の特色ある軍隊強化の道に沿いつつ、党の新時代における軍隊強化の目標の実現と人民の軍隊の世界一流の軍隊への全面的建設に向かって大股で前進しています。

　目下、新型コロナウィルスのパンデミックと１００年未曽有の変局が入り交じり重なり合っており、人類の運命共同体を築くことこそがこの世の正しい道であり、多国間主義を守り、実行することこそが正しい選択であり、同舟相救い、団結し協力してはじめて共に難局を乗り切り、共に未来を勝ち取ることができるのです。平和と発展は時代の潮流で、人心の向かうところであり、中国は世界の繁栄・発展により大きく貢献し、国際的公平と正義のためにより大きな努力を払い、世界の共同安全保障のためにより大きな役割を果たし、つねに世界平和の建設者、グローバルな発展への貢献者、国際秩序の擁護者になるために力を尽くしています。中国は引き続き平和を愛する国や人民と共に、平和、発展、公平、正義、民主主義、自由という全人類共通の価値を広く発揚してゆきます。そして協力を堅持し、対決をせず、開放を堅持し、閉鎖をせず、互恵・ウィンウィンを堅持し、ゼロサムゲームをせず、覇権主義と強権政治に反対し、歴史の車輪を光明に満ちた目標に向かって前進させてゆきます。

　中日両国は永遠の隣国で、共に重要な影響力をもつ国です。双方の共同の努力によって、近年、中日両国の防衛交流には積極的な進展がみられます。双方は時代の発展に合わせ、共に大国の責任を果たし、一層成熟し安定した２国間関係を築き、両国人民に幸せをもたらし、地域と世界に恩恵を及ぼすようにすべきです。目下世界の状況が大きく変化し、中日関係のチャンスとチャレンジが併存している複雑な状況下で、双方はなおさらぶれることなく、信念をしっかりと持ち、両国指導者の重要な共通認識を具体的政策と実際の行動に変え、大局に着目し、大勢をつかみ、安全保障の相互信頼を深め、２国間の建設的な安全保障関係を築く必要があります。中国は日本との実務協力を持続的に推し進め、今年、来年２年間の中日文化スポーツ交流促進年と来年の中日国交正常化５０周年を契機に、初心・原点に立ち返り、正しい方向を把握し、安定した、健全な中日関係を次の５０年につないで行きたいものと存じます。