中国東北にエネルギー戦略共同体構築へ
2006/08/10

 

 中国国家発展・改革委員会エネルギー局の許永盛副局長はこのほど、ハルビンで「今後、国はより一層総合的に東北地区のエネルギー建設配置を考えていく。これは東北振興戦略の重要なステップである」と強調した。また「東北地区には黒竜江、吉林、遼寧の3省と内蒙古東部が含まれ、新中国の旧工業地帯である。地理的、位置づけの面からみて、東北地区は関連性、一体性が非常に強く、一つの共同体を形成することがふさわしい」と述べた。

 東北地区には豊富なエネルギー資源があり、特に石炭と石油は全国的にも重要な位置を占めている。黒竜江省をみると、現在、石油の累計確認埋蔵量は56億7000万㌧に達し、全国の約4分の1を占め、残りの可採埋蔵量は5億6800万㌧で、全国の23%を占めている。東北の豊富なエネルギーは国の経済発展に強大な原動力をもたらしている。しかし、現在の状況をみると、東北地区はエネルギーの面でそれぞれ優位性があるものの、横割り・縦割りの問題や産業構造が同一であるなどの問題がある。許副局長は「共通する問題としては、東北地区のエネルギー生産は一次エネルギーが中心で、また自らのエネルギー消費が多く、産業レベルが高くなく、配置が理想的でないということが挙げられる」と指摘した。

 黒竜江省を例にすると、原油と原炭が同省の一次エネルギー生産総量の97%を占めている。石炭産業をみると、集約化採掘のレベルが低く、高度加工事業が少なく、総合利用水準が低い。

 遼寧省発展改革委の李国運副主任は「遼寧が直面する主要な問題は通常エネルギーの埋蔵量が不足し、主要資源が次第に減り、対外依存度が高まり、遼寧の経済発展を制約していることである」と指摘した。

 国家発展改革委の張国宝副主任は「近年、東北地区の経済協力が増えているが、協力の勢いは珠江デルタ、長江デルタ、環渤海地区より明らかに弱い。長期的にみて、東北地区の経済一体化の前途は明るく、協力・ウィンウィン(共に勝者となる)の優位性は明らかだ」と述べた。

 現在、国家発展改革委は東北3省と内蒙古自治区のエネルギー官庁を招集して、東北地域のエネルギー発展総合計画を策定しており、マクロコントロールと科学的・合理的配置によって「エネルギー戦略共同体」を構築することを共同で探っている。これは東北地区で初のエネルギー発展総合計画でもある。

 黒竜江省科学者顧問委員会マクロ経済専門家チームの陳永昌主任は次のように指摘した。東北地区「エネルギー戦略共同体」の構築は東北振興の強力なエンジンになるもので、国のマクロコントロール戦略にかない、東北を新しいタイプの産業拠点とし、国の新たな経済成長地域にするのに役立つ。

 (長春06年08月09日発新華社)