重慶
2004/02/05

1997年3月に北京、上海、天津に次いで中国四つ目の直轄市として決められた重慶(じゅうけい)直轄市としての歴史は最も浅いが、抱える面積と人口は中国四つの直轄市の中で最大。東西470キロメートル、南北450キロメートル、総面積が8万2400平方キロメートルにものぼる重慶市は、40もの区と県を管轄し、2000年現在、漢族を始めとするトゥチャ族やミャオ族など49の民族の3090万人が暮らしている。

経済が発達した中国の東部と、資源は豊かだが経済が立ち後れている西部の間に位置する重慶市は中国西南部の交通と商工業の重鎮であり、長江上流部の経済の中心都市でもある。気候は亜熱帯湿潤モンスーン気候に属し、夏は蒸し暑く冬は温暖。雨が多く湿潤で、冬は霧が多く日照量が少ない。境内には山が延々と連なり、大小の河川が縦横に流れ、「霧の都」や、「山の城」、「江の城」とも呼ばれる。

 重慶市には工業と農業、都市と農村が共存している。各地区の経済発展は不均衡で、さらに三峡ダム工事に伴う100万人の移転と貧困扶助の重任を担っている。2000年末現在、重慶市の年間GDPは1590億元、一人当たりの実質所得は6276元で、輸出入総額は17.85億ドルである。機械、電機や化学、製薬など、それなりの工業基盤を立てた重慶市は一方、162万ヘクタールを超える耕地を持つ。若くて大きい直轄市重慶それだけに大きな発展潜在力を秘める