貴州省
2004/02/05

  貴州省は自然に恵まれ、エネルギー、鉱物、生物、観光資源は中国でも大きな地位を占め、貴州省の国民経済発展の重要な物的基礎と条件となる。水力と石炭は最も重要な2大エネルギー資源である。貴州省の水力発電資源は1874万5000kWに達し、全国6位。開発可能な発電量は1633万kWで全国4位。とくに貴州省全域を横断する烏江は有名な「水力鉱脈」である。また貴州省は「江南の石炭の都」として知られ、総埋蔵量及び探査済み埋蔵量がともに中国の長江以南の地方ではトップで、全国では5位。

  貴州省内に延々と起伏する群山には、すでに110種類の鉱物が発見され、そのうちの43種類の埋蔵量は中国の上位10位、28種類が5位を占める。なかでもアルミニウム、土類金属、アンチモン、金、マンガン、リン、バライト、硫黄鉄などは大きな将来性をもつ。

  良好な自然生態環境によって、貴州省は豊富な生物資源に恵まれる。野生動?植物資源は驚くほど豊富で、貴州省の深山には今もなお国家重点保護動?植物や希有動?植物が生息する。また中国の4大漢方薬材産地の1つであり、杜仲、天麻、ゴシュユ、セキコク、黄連の5大漢方生薬を代表とする薬用植物資源は全国で4位。このように貴州省の生物資源は極めて大きな強みと将来性をもつ。

  貴州省の機械電子工業は、航空?宇宙産業、電子工業を核として、先進技術と強い開発力をもつ実力ある大企業を多く擁している。エネルギー工業は非鉄金属、黒色金属、化学、建材を特徴とし、中国のアルミニウム、リン、水銀、メタン、鉄合金、アンチモン、鉛、亜鉛製品の重要産地で、内外で高い評価を得ている。2000年、工業が貴州省のGNPに占める割合は31.6%になった。

  貴州省は中国で唯一の平原のない農業省であり、農業は貴州省で工業に次ぐ国民経済の根幹をなすものである。こうした悪条件の下で、全力をあげて農業基礎建設の強化に取り組んできた。1993年以降、穀物生産は連年豊作を収め、農村の食糧自給問題を基本的に解決された。アブラナの種、タバコ、果物、野菜、林木、牧畜?養殖業は、すでに貴州省の特色ある山地農業体系と地方産業に成長した。近年来、勃興した郷鎮企業は、貴州省の新しい農村産業となり、農業現代化の歩みは年を追って加速され、農民の生活レベルも向上しつつある。

  貴州省は何と言っても「名酒の郷」。貴州の名酒は内外市場で人気が高い。世界にその名を馳せる茅台酒は貴州省の誇りである。貴州省はまた中国の優良タバコの重要な産地である。名酒と高級タバコを代表とする伝統的な支柱産業は目下、ブラント製品プロジェクトを推進して、総合的な経済効果と市場競争力の増強に努めている。

  1990年代以降、貴州省はインフラ建設を加速させ、経済発展に良好なハード環境づくりに努めてきた。すでに省庁所在地の貴陽市を中心に、鉄道、幹線道路を核とし、水運と航空と結合させた四方八方に通じる交通運輸網が形成されている。貴州省の航空業は迅速な発展を見せている。新設された4D級の貴陽空港は全国の航空運輸網とつながる幹線空港で、40便余りの航路が北京、上海、香港など全国30以上の主要都市と結んでいる。

  省内の鉄道は延べ1600キロメートルを超え、それを走る4本の幹線鉄道の中、貴昆、川黔、湘黔鉄道の3線は完全に電化された。貴陽市南駅の編成ステーションは西南地区最大の鉄道運輸編成駅となり、貴陽貨物運輸(内陸)港も正式に開港した。またすでに完成した南昆(南寧―昆明)電化鉄道は、貴州のもう1つの重要な海への通路となった。道路もまた建設の重点であり、2000年までに全省の自動車道総延長は3万4千キロメートルを超えた。すでに開通した高級道路に加えて、さらに多くの高等級道路の建設が急ピッチで進められている。こうして、かつて「3尺の平地すらない」と形容された貴州省は大きく変貌しつつある。

  貴州省の内陸河川航路は、北部は烏江、赤水河に沿って長江を経て海に出る。南は南盤江、北盤江を経て珠江から海に至る。河川治理や拡大工事を経て、各航路と旅客?貨物用埠頭及び付属施設の運輸集散力は向上した。  

  郵便、電信、通信面も長足の進歩を見せている。通信ネットワークの規模、容量、通信能力、技術、サービスの質はそれぞれ飛躍的向上を遂げ、長距離光ケーブル、プロセスコントロール電話、無線呼び出し、ポケットベル、携帯電話、国際インターネット及びマルチメディアネットワークなどが、利用者の便を保障している。

  貴州省は「科学教育によって貴州省を振興する」戦略を進め、省民全体の素質の向上に重点を置き、基礎教育を強化し、科学教育の基礎施設の建設と人材の養成に努めてきた。科学技術は第1の生産力として、貴州省の社会経済の歩みを速め、全省の科学教育事業は大きな発展を遂げた。

  貴州省は約42万人の科学研究者と970の専門科学研究及び技術開発機構を擁する。比較的合理的な構成とジャンルの揃った貴州省の特色をもつ科学研究、開発、管理及びとサービス体系がすでに形成され、日ごとに整備されつつある。「八五」期間中に、全省で934項目の重要な科学技術成果を達成し、現在数千の成果の普及と応用を進めており、良好な経済効果と社会効益を上げている。

  現在、貴州省は多層的、多形式、多学科、分野の揃った教育体系が初歩的に形成された。近年来、教育構造の調整と改善を経て、基礎教育と民族教育は確実に強化され、義務教育の普及は喜ぶべき成果を上げている。ほとんどの県?市に初等義務教育が普及した。1999年の大学の学生募集数は1万3000人で、計画を0.7%上回り、高等学校の学生募集数は1万6000人で、計画を25%上回った。省内の22の普通高等学校と16の成人高等学校は、学科分野の揃った教育体系を初歩的に形成している。教育構造と専門分野構造の調整と改善を通して、教育の効果と質はさらなる向上をみた。

  貴州省では対外開放を拡大し、閉鎖的から開放へ向かうことで内外との経済協力を幅広く展開し、全方位、重層的対外開放が次第に形成されつつある。全省の外資利用額は約2億ドル、2000年の輸出総額は4億2000万ドル、輸入総額は2億4000万ドルに達した。輸入出商品構成も改善され、農?副産品の割合が下がり、工業?鉱業製品の比重が上昇している。多くの内外観光客や友人が視察訪問や観光に次々と貴州省を訪れて、貴州省はすでに100余りの国及び地区と経済貿易関係を結んでいる。省庁所在地貴陽市は日本との協力で「無公害工業園」の建設を進めている。投資環境の改善とともに、貴州省は全力を挙げて対外開放に取り組み、貴州省経済の発展も大いに加速された。

  西部大開発に伴って、貧困との戦いも新しいチャンスを迎えた。貴州省は西部大開発と貧困扶助を結びつけ、開発式の貧困扶助政策を堅持し、貧困地区の“造血”機能を増強していく。貧困地区民の生産、生存条件の改善から着手し、交通?通信建設をいっそう強化し、農地の基本建設、水利、生態建設に力を入れ、あらゆる方法で特色ある経済の発展を援助し、住民の収入を向上させる。また科学技術教育の発展に力を入れ、9年制義務教育を普及させて、農村への実用技術の普及を推進し、市場を育成し、科学技術知識と商品観念を持つ新時代の農民を育てる。