習近平副主席 鳩山由紀夫首相と会見
2009/12/15

    習近平国家副主席は14日午後、東京で日本の鳩山由紀夫首相と会見した。双方は中日関係その他共に関心を寄せる国際・地域問題について率直で突っ込んだ意見交換を行い、幅広い共通認識を得た。

    習副主席は胡錦涛主席と温家宝首相からのあいさつと祝福を伝えた後、次のように述べた。中日国交正常化後37年間、両国関係はかつてない発展を遂げた。胡錦涛主席の昨年5月の日本公式訪問によって、両国関係は新しい歴史のスタート地点に立った。今年9月日本の新政権が発足した後、両国関係はすみやかに好スタートを切った。中日関係の改善と発展は双方に重要な利益をもたらし、アジアと世界の平和、安定、繁栄をも促した。

    習副主席は次のように強調した。中国政府と指導者は中日関係を外交戦略全体の中の重要な位置にすえて、中日友好政策を堅持している。私が今回訪日したのは、胡錦涛主席、温家宝首相と鳩山首相による重要な共通認識を踏まえて、両国の戦略的互恵関係をさらに発展させるためにほかならない。習副主席は次のように述べた。台湾、チベット、新疆関連問題は中国のコア利益(中核的利益)、領土と主権の保全に関わっており、中日両国は友好的隣邦として、相手側のコア利益と重大な関心事を相互に尊重すべきである。歴史問題では、双方が「歴史を鑑とし、未来に向かう」ことを堅持すべきだが、この問題で首相の立場は明確であり、このことを称賛したい。

    習副主席は次のように述べた。中日両国は互いに主要な経済・貿易相手であり、中国としては世界的金融危機に対応するために今後も日本側と協力し、政策対話と協調を強化していきたい。金融危機が双方の経済・貿易協力に与えた深刻な影響を前にして、双方はチャンネルを広げ、潜在力を掘り起こし、両国の貿易と投資の安定した伸びを速やかに回復させる必要がある。双方はポスト金融危機時代の世界経済発展の潮流に着目し、持続可能な発展分野の協力を大いに進め、エネルギー・環境、グリーン・低炭素、循環型経済、ハイテク協力分野を今後の経済・貿易関係発展の重点的方向とすべきだ。習副主席は次のように表明した。中国はコペンハーゲン会議が成功するよう期待するとともに、各国の指導者が英知を十分発揮し、共に努力して、会議を成功させるものと信じている。中国としては日本と共に、そのために引き続き積極的な建設的役割を果たしていきたい。

    習副主席は次のように指摘した。アジア一体化のプロセスは加速しつつある。鳩山首相が示した東アジア共同体構想は、中日両国を含む地域各国の共通の目標でもあり、中国側はこれを称賛する。アジアの主要な大国である中日両国は、対話と意思疎通を強化し、アジア協力、特に東アジア一体化のプロセスにおける協力を強化して、優位性による相互補完、互恵とウィンウィン(共に勝者になること)の実現を目指し、アジアの協力促進のために共に重要なリーダーの役割を果たし、アジアの平和と発展により大きく貢献すべきである。

    鳩山首相は胡錦涛主席と温家宝首相からのあいさつと祝福に感謝し、習副主席に歓迎の意を表した後、今年9月に首相に就任してから、胡主席、温首相と何回も会談を行っており、今回は習副主席をお迎えしたが、これは日中関係の今後の発展にとって重要な意義があると述べた。また次のように表明した。日本は歴史を直視する勇気を持ち、それを踏まえて未来志向の日中関係を発展させるべきだ。アジアの一員である日本は、中国などのアジア各国とより緊密な関係を築くとともに、友愛精神に基づく「東アジア共同体」構築のために力をつくすべきだ。アジア各国が相互信頼と協力を強めることは、アジアにとっても世界にとっても重要な意義がある。日本としては中国と共に努力し、日中の戦略的互恵関係の発展を促し、省エネ、環境、気候変動分野の協力を深めていきたい。鳩山首相は、台湾問題で日本は中国側の立場を尊重しており、チベット問題は中国の内政であると考えていると重ねて表明した。

    会見の後、鳩山首相は官邸で習近平副主席を歓迎する宴会を開き、これには日本各界の代表約300人が出席した。

    同日午後、習副主席は衆議院の横路孝弘議長、日中友好七団体の責任者、華僑代表の案内で、東京の中国文化センターのプレート除幕式に出席するとともに、センターで開催中の中国美術館絵画収蔵品展を見た。

(東京12月14日発新華社)