先人の足跡をたどり,初心と使命を学びなおす孔鉉佑駐日大使,早稲田大学を訪問
2021/06/26

 7月1日が間近に迫った25日、孔鉉佑駐日大使は早稲田大学を訪問し、李大釗、陳徳秀ら中国共産党の初期の指導者の赤い足跡をたどり、革命の先人たちの救国の真理を求める思考の歩みを感じ取り、彼らが党の事業のために成し遂げた偉大な業績をしのんだ。大使館教育処の胡志平公使級参事官が大使に同行した。

 孔大使が学生寮「信愛学舎」を訪れると、93歳の西原春夫元総長が待っていた。寮の管理人から、李大釗が1914年から1916年まで「信愛学舎」の前身である中華青年会学生寮に住んでいたとの説明を受けた。西村氏は、李大釗が学んだ校内の道を歩きながら、孔大使に、かつて早大教授阿部磯雄がよく寮に来て社会主義思想の講義をし、李大釗は深い影響を受けたと話した。

 早大歴史館では、早大理事の渡辺義浩氏が早大と中国の交流の歴史を説明した。清朝末期から中華民国初期にかけて、1万人以上の中国の若者が日本に留学し、そのうち2000人以上を早大が受け入れた。早大の有名な学生の名簿には、李大剣、陳独秀、廖仲愷の名前が並んでおり、壁に飾られた李大剣の有名な詩「青春」がひときわ目を引いた。

 続いて、孔大使は田中愛治総長と会見し、早大は李大釗の学業成績などの貴重な史料を特別に孔大使に披露した。田中総長は、早大が中国との交流を常に重視していると強調、早大孔子学院に対する中国からの力強い支援に感謝するとともに、今後も中国の大学との協力関係を強化していきたいと述べた。早大理事で孔子学院院長の弦間正彦氏は、早大で学ぶ中国人留学生の歴史研究、特に李大釗をはじめとする中国の革命の先人たちの早大での研究・生活・活動は、今年の孔子学院の重要なテーマになると述べた。

 孔大使は次のように述べた。早大は中国と深いつながりがあり、歴代学長は中国と交流するなかでビジョンと優れた見識を示し、中日友好交流に積極的に貢献してきた。李大剣、陳独秀、陳望など、中国共産党の主要創立者や革命の先達(せんだち)は、早大留学中に先進的な革命思想に触れ、帰国後は中国共産党の設立やマルクス主義の普及に重要な貢献をした。早大は、中国近代の革命人材の育成と先進的な思想の普及に積極的な役割を果たした。大学を去る際に孔大使は、先方の求めに応じて「追尋先輩足跡、重温初心使命(先人の足跡をたどり、初心と使命を学びなおす)」と揮毫(きごう)した。

 会見後、孔大使は早大の孔子学院を訪れ、中国と日本の学生代表と座談会を開いて意見交換した。