中国共産党創立100周年記念「幸せな生活を追い求めて」中国貧困脱却成果展開幕式における孔鉉佑駐日大使のあいさつ
2021/06/29

ご来賓、友人の皆さま

中国共産党創立100周年を記念する、中国の貧困脱却成果展「幸せな生活を追い求めて」の開幕式に出席いただき、誠にありがとうございます。

今年初め、習近平総書記は貧困脱却堅塁攻略の総括・表彰の全国大会で、中国共産党創立100周年を迎える重要な時に、貧困脱却戦で全面的勝利が得られ、絶対的貧困の撲滅という容易ならぬ任務が達成されたと宣言しました。本日、貧困脱却成果展を開いたのは、苦労して得られたこの成果を記念するためであり、展示した写真の1枚1枚はすべて、中国の貧困脱却事業の真実の描いているものです。

貧困を撲滅し、人々の暮らしを改善し、共に豊かになるというのは社会主義の本質的要求で、中国共産党の重要な使命でもあります。100年前、中国共産党は苦しんでいる大衆の解放という初心を抱いて党をつくり、事業を興し、革命の歩みを開始しました。改革開放後、「貧しいのは社会主義ではない」というスローガンを打ち出し、全国人民を引っ張って貧困を脱し、豊かになることをめざしました。第18回党大会以降、習近平総書記を核心とする党中央の指導の下に、中国は人類の歴史上かつてない規模で、最も強力な、最も多くの人口に恩恵の及ぶ貧困脱却の堅塁攻略戦を実施して、絶対的貧困の撲滅という並々ならぬ任務を達成し、「国連持続可能な開発のための2030アジェンダ」の貧困撲滅目標を10年前倒しで実現しました。

成果の背後にあるのは、揺るぎない信念と厳しい努力です。長期にわたり、中国政府は大量のヒト、モノ、カネを貧困脱却に投じました。合わせて25・5万の村駐在ワークチーム、300万人余りの第一書記と村駐在幹部が派遣され、長い間貧困地域に滞在して、現地の幹部と共に貧困救済の第一線で闘いました。20年前、私は河南省開封市に勤務しており、その間に地元の大小さまざまな貧困地区をくまなく回り、貧しい人々の暮らしの窮状を目の当たりにしました。開封(かいほう)市の尉氏(いし)県、蘭考(らんこう)県で勤務した古い世代の中国共産党員の一人、焦裕祿(しょうゆうろく)同志は、生涯地元の大衆を貧困から引っ張り出して、豊かにするために力を尽くし、最後は病気のため仕事中に亡くなり、いまなお人々から慕われ、愛されています。こうした精神が中国共産党員によって代々受け継がれ、最終的に貧困脱却の奇跡を成し遂げており、焦裕祿の生前の願いも後世の人によってかなえられました。

貧困の削減と撲滅は、人権保障の重要な内容です。長年にわたって、中国共産党と政府はつねに基本的国情を踏まえて、人民の生存権、発展権を第一にし、貧困削減・脱却に力を尽くし、民生の保障と改善に努めて、発展の成果がすべての人民により多く、より公平に及ぶように努めてきました。改革開放後、計7・7億の農村人口が貧困から脱却しました。2012年以降、毎年平均、中等国の人口に相当する1000万人余りが貧困から脱却しました。貧困県の9年制義務教育の定着率は94・8%に達し、貧困人口の99・9%以上が〈国民健康保険にあたる〉基本医療保険に加入し、2889万の貧困人口の飲用水の安全問題が適切に解決され、790万の貧困世帯が農村の老朽家屋改造によって安全な家に住むようになったなど、貧しい民衆の生活に天地を覆すような変化が起きました。その中の代表的な、ピンポイント方式の貧困脱却物語は、人民日報記者によって『的確貧困脱却』という本にまとめられ、日本でも出版されました。自国の貧困撲滅に力を尽くすと同時に、中国は幅広く発展途上国の貧困撲滅を積極的に支援、援助し、国際的な貧困削減の研修・協力・交流を通じて、国際社会に自らの貧困削減プランと経験を届けました。「一帯一路」の国際協力を積極的に推し進め、人類運命共同体の構築を推進し、中国の発展のチャンスとボーナスを世界各国で共有できるようにしました。これとは対照的に、欧米の一部反中国ポリティシャンとメディアは、いわゆる「人権」を理由に、中国を攻撃し、おとしめることばかりに夢中になり、さまざまなウソ・でたらめは枚挙にいとまがない。これらによって中国の平和的発展の決意は変えられません。われわれは揺るぎなく自国のことをしっかりやり、中国の民衆がよりよい暮らしを送れるよう努力し、引き続き全世界の貧困退治と世界の人権進歩のために貢献していきたいと思います。

中国の貧困脱却事業の成功のためには、日本を含む国際社会の支援もありました。日本政府と経済界は中国の貧困救済事業に積極的に貢献しており、われわれは長年、内蒙古で砂漠対策と緑化を進めた友人の遠山正瑛(とおやませいえい)、高見邦雄(たかみくにお)両氏、および河南省の農村で堆肥(たいひ)と循環型農業技術を普及させた農業専門家の川崎広人(かわさきひろと)氏が、中国の貧困救済事業のために汗水流したことを忘れません。貧困救済協力は中日の互恵協力の重要な一部分であり、中日友好の生き生きとした一ページでもあります。いま中国は近代的社会主義国家の全面建設という新たな道のりを歩み始めており、日本も重要な発展段階にあり、両国関係は一連の重要なチャンスを迎え、また複雑な要因も抱えています。来年には中日国交正常化50周年を迎え、双方はまたそれぞれ東京オリンピックと北京冬季オリンピックを控える中、ご来賓の皆さまが今回のイベントを契機に、中国を一層全面的に理解され、中日の各分野の交流・協力に積極的に助力され、中日関係と両国の交流・協力がより大きな発展をとげるよう共に後押しされることを希望いたします。中国駐日大使館としてもこれまで通り、皆さまにできる限りの支援と協力をする所存です。

ありがとうございました。