中国の食品安全状況、絶えず改善 李長江国家品質監督検査検疫総局長
2007/07/28

 

 最近、食品の安全面でいくつか事故が起きていることに対し、国家品質監督検査検疫総局の李長江局長は7月20日、記者の単独インタビューに答え、中国の食品の安全状況は絶えず改善されており、食品輸出は大きな影響を受けていないと指摘した。

 李局長は、食品の安全は人々の生活にかかわるもので、中国政府は食品の安全問題を一貫して非常に重視し、長年にわたり、かなり整った食品品質安全体系を確立したと述べた。

 統計によると、全国的な食品サンプル検査の平均合格率は2001年の60・3%から06年には77・9%に向上した。品質検査総局が最近行った食品に対する国家監督サンプル調査では、食品の合格率は85・1%に達した。輸出食品の合格率はこの数年、99%以上を維持している。

 「中国の食品の安全性はこの数年、向上しており、われわれの食品の大部分は安全である」と李局長は語った。

 説明によると、政府監視管理官庁は食品と食品関連産品の品質・安全面の市場参入制度を厳格に実施している。食品生産加工の小企業、小作業所の是正を全面的に強化した。食品と食品関連産品の国家監督サンプル調査を強化している。食品安全地域監視管理責任制を実行している。食品生産の「不法拠点」や違法添加物を使用する違法行為を厳しく取り締まる特別行動を展開した。食品の基準体系づくりと食品認証業務を強化した。輸出食品の品質・安全チェックを厳しくしている。

 輸出食品に対し、中国には食品の原料から加工、輸出入までの整った管理制度がある。

 中国は輸出食品の原料の栽培・飼育養殖拠点に対し、登録管理を実施しており、登録した栽培・飼育養殖拠点の原料しか、輸出食品の生産・加工に使用することができない。同時に輸出食品の生産企業に対して、衛生登録制度を実施しており、登録した企業だけが輸出食品を生産できる。

 生産過程の中で、出入国検査検疫機関は輸出食品の生産過程に対して全面管制を実施している。輸出食品はさらに要求に従って、要求に適合したラベルまたはマークをはり、トレーサビリティーや問題のある産品の回収ができようにしなければならない。輸出に先立ち、段階ごとに検査を行い、合格してはじめて輸出できる。輸入国の要求があれば、食品について公式の証書を発給する。

 李局長は「最近の一部輸出食品の安全事故は中国の輸出全体に影響を与えていない。上半期、中国の輸出総額は前年同期比27・6%増の5467億ドルに達した。中国の農産物の対米輸出は28・7%増、欧州連合(EU)は23・6%増となった。これからも分かるように、中国の生産物の品質は良く、安心できるものである」と述べた。

 また同時に「食品の安全状況は絶えず改善されているが、いくつか問題もあり、特に生産条件の悪い食品生産の小企業、小作業所は数が多く、各地に広がり、生産する製品は不安定で、一部製品は不合格品である」と指摘した。

 説明によると、現在、全国に約50万の食品生産企業があり、その中で一定の規模のものは15万社で、その他は10人以下の小企業、小作業所である。一定の規模のある企業が生産する製品は全市場の約90%を占め、小企業が生産する製品のシェアは約10%である。

 李局長は「小企業は重点であり、難点であり、焦点であり、品質が不安定な企業に対して、われわれは合併、整頓などの方法で要求が達成されるようにしなければならない。基準に適合しない産品を長期的に生産し、さらには偽物を生産、販売する小企業に対しては、われわれは決意を固めて閉鎖させなければならない。活動を通じて、大規模な企業にしっかり力を入れ、小さな企業をしっかり管理している」と述べた。

 このほか李局長は「食品の安全は一国の問題ではなく、すべての国が直面する共通の問題であり、各国は緊密に協力し、協力を強化し、生産品の品質を共に高めなければならない」と表明した。

 現在、品質検査総局は多くの国・地域と二国間または多国間の食品安全協力の枠組みを確立しており、米農務省、厚生省、食品医薬品局(FDA)とも良好な協力の枠組みを設けている。今年9月、中米は第2回食品安全サミットを開く。