食品の安全対策を一段と強化 新華社総合報道
2007/08/07

 

 改革・開放以降、経済・社会の発展と科学技術の進歩にともない、中国の工業製品・農産物は品質が着実に向上し、国内外の市場に占めるシェアが伸び続けている。今年に入ってから、各地域、各省庁は一部の生産物、特に食品の品質安全面に存在する問題を大いに重視し、積極的に行動して、一連の関連措置を講じており、生産物の品質対策と食品の安全対策が一段と強化された。

◇品質対策の着実な推進

 党中央と国務院は従来から品質対策を非常に重視してきた。今期政府は発足以来、生産物の品質、特に食品の品質安全強化を重要な位置に据えている。地方の各級政府はこの面で多くの仕事を行った。農家と消費者の品質意識が著しく向上した。

 国家品質監督検査検疫総局(国家質検総局)の責任者は、今年に入ってから、国家質検総局などの省庁は引き続き生産物の品質・食品安全保証メカニズムの整備を進め、監督管理を強化し、主に以下の8つの活動を繰り広げたと説明した。

 1、省庁の規則と地方の法規を整備し、法に従って品質対策を実施するための法制面の基礎を整えた。

 2、品質、計量、標準化、認証・認可および国家級重点実験室、国家級品質検査センター設置など品質技術面での基礎作業に力を入れ、品質の安全を確保するための技術保証システムを確立・整備した。

 3、企業の品質監視システムを整備し、企業が品質保証システム、計量・検出システム、標準化システムを確立するのを援助した。

 4、輸出企業の間で生産プロセス全体の監督管理、産地検査と税関検査を組み合わせた制度を推し進めるとともに、輸出商品の法定検査リスト、品質の安全と市場参入、生産許可、抜き取り検査、品質面での誠実・信用などの制度を整えた。

 5、有名ブランドの評価と輸出時の検査免除、国の検査免除、地理マーク(産地表示)の保護などの措置を講じ、良質生産物、優良ブランド、優秀企業、優位産業の発展を助成した。

 6、偽物製造・販売の違法犯罪行為を厳しく取り締まり、地域的な特別処罰活動を組織的に繰り広げた。

 7、製品のアフターサービスを規範化し、品質面の権利を守る活動を繰り広げるとともに、欠陥製品リコール制度を実施した。

 8、社会各界が品質への取り組みに参画するよう働きかけ、社会的なパワーを生み出した。

 中国政府は食品の安全保証を目的とする法律・法規または、安全保証に関係する一連の法律・法規を制定・実施しており、食品安全の監視・管理のための法的基礎を整えた。関係省庁は食品安全情報交換・調整・公開制度を確立し、食品安心プロジェクト総合評価システム、食品安全信用システムの試験的構築および食品安全調査などを繰り広げた。

 今年上半期、関係省庁は食品安全のための全国的な特別取り締まり活動を繰り広げ、特に農村での食品の安全に力を入れ、栽培・飼育、生産加工、市場流通、飲食消費の4つの段階で食品の安全に対する監視・管理を全面的に強化した。

◇製品の品質の全般的水準が着実に向上

 国家質検総局の責任者は「生産物の全般的な品質水準向上は、経済・社会の急速で持続的発展の要請と広範な人民大衆の日々増大する消費需要を比較的よく満たし、中国製品と企業の国際競争力を高めた」と表明した。

 消費類製品の品質と等級が大幅に向上した。軽工業・紡績業などの製品は安価で質が良く、家庭電気器具などは世界の先進水準に到達している。米、麺、油、醤油、酢という基本食品の国による抜き取り検査の合格率は90%以上に達し、輸出向け食品の合格率は99%以上に達している。

 原材料と装置類の品質が大幅に向上した。鉄鋼、建材、機械、電子などの製品は品質が大幅に改善され、非鉄金属業界および石油化学業界の主要製品の技術規格と実物の品質はすでに国際水準に達している。

 ハイテク製品の性能が著しく向上した。高性能コンピュータ、通信ネットワーク設備、新しい世代の移動通信、デジタルAVなどの主要機能と性能はすでに世界の同種製品の品質水準に到達している。

 工事の質とサービスの質が著しく改善された。中国の道路、橋梁、港湾、水路工事が1回の監督検査で合格する割合は90%以上に達し、重点工事の優良率は100%に達している。

◇監視管理の強化継続と品質水準の新たな向上を目指す努力

 中国製品の全般的品質水準は着実に向上しているが、品質面には現在も幾つかの問題が存在している。質検総局の責任者の説明によれば、これらの問題は主に一部の製品の等級、信頼性、標準レベルが低いことや、小規模な食品生産加工企業、工場が多く、広範囲に及び、製品の品質安全に潜在的問題が存在することなどに表れている。

 上半期、一部の外国メディアで中国製品の品質問題と食品安全問題に関してマイナス面の報道が少なくなかった。その中で、少数の外国メディアは無責任に、又は下心を抱きながら、中国の輸出製品の品質安全問題をセンセーショナルに取り上げた。その結果、中国製品の信用に悪影響が及び、中国の国際的イメージが損なわれた。

 製品の品質安全面に存在する問題を解決するため、国務院は明確な要求を打ち出した。7月26日、国務院は食品などの生産物の安全に対する監視・管理を強化することについての特別規定を設けた。翌27日、国務院は全国品質対策会議を招集し、温家宝首相が「生産物の品質は人民大衆の切実な利益にかかわり、企業の存続と発展にかかわり、国のイメージにかかわるものだ。現在の新しい情勢を前に、製品の品質と食品の安全への取り組みがもつ重要な意義を十分認識し、これに取り組むことについての自覚を高めなければならない」と指摘した。

 関係省庁は下半期も監視・管理に力を入れ、次のようなことに重点的に取り組んでいく。1、食品安全のモニタリングを強化し、食品安全の検査水準を引き上げる。2、食品安全に関する規格と認証を整備する。3、食品安全情報システムを構築する。4、食品安全上の突発事件と大きい事故に対する応急システムの構築に力を入れる。5、食品安全評価システムを確立する。6、食品安全特別取り締まり活動を引き続き展開する。7、輸出入食品の安全管理を強化する。

 また、科学技術による食品安全サポート能力を高め、食品安全信用システムを整備し、食品の安全性についての宣伝・教育・研修を進めてゆく。

 (北京8月6日発新華社)