孔鉉佑駐日大使が中央ラジオテレビ総局中央人民放送の特別番組「大国外交」のインタビューに応じる

2021-10-20 08:00

 10月17日、孔鉉佑駐日大使が中央ラジオテレビ総局中央人民放送の特別番組「大国外交」の独占インタビューに応じ、新たな情勢下の中日関係の現状と展望について重点的に語った。インタビューの全文は次の通り。

 一、問:孔大使こんにちは。独占インタビューに応じていただきありがとうございます。今月8日、習近平主席が日本の首相に就任したばかりの岸田文雄氏と電話会談しました。実際、岸田氏が自民党総裁に選ばれてから、中日関係はいったい谷を脱けだせるのか、このままずるずると対抗を続けるのか、国際世論はずっと注目してきました。われわれは、中日関係が決して順風満帆ではなく、非常に緊張しそして困難な局面にも直面しうることを知っています。当面の中日関係はどのような挑戦に晒され、またどのようなチャンスを迎えているとお考えでしょうか?

 孔大使:先週の日本の新政権発足早々、習近平主席が岸田文雄新首相と非常にタイムリーで重要な電話会談を行いました。両首脳は来年国交正常化50周年を迎えるのを契機に、新しい時代にふさわしい中日関係の構築を図ることで重要な政治コンセンサスを得て、両国関係の次の発展のための目標と方向を示しました。

 いま世紀の感染症と百年ぶりの変化が重なり、新たな時代的背景の下で、中日関係にはまさにチャンスと挑戦が併存しています。感染症の厳しい試練の中で、両国の協力は強靱性と巨大な潜在力を示し、相互依存、互恵・ヴィンウィンという本質的特徴をはっきりと示しました。当面とポストコロナ時代に目を向けると、感染症対策、経済の回復、暮らしの改善は中日双方が抱えている共通の課題であり、グリーン・低炭素、デジタル経済などの分野には多くの利益の接点が存在しています。同時に、地域の重要な国で世界の主要な経済体〈エコノミー〉である中日双方は多国間主義を守り、世界経済の回復を後押しし、地域開発協力を促し、さらに新型コロナ、気候変動、テロなど世界的課題に対応する面で、幅広い共通の懸念を有し、共同の国際的責任を担っています。

 中日関係が色々な挑戦に晒されていることも見なければなりません。両国は政治体制、社会制度、イデオロギーが異なり、あれこれの矛盾や意見の食い違いがあるのは避けられませんが、これらの問題はうまく管理できなければ、両国関係の改善・発展の障碍になりかねません。このところ、内外のさまざまな要因の影響を受けて、中国をめぐる問題で日本側の後ろ向きの動きがしばしば際立ち、中日関係の妨げになっています。われわれはつねに原則的立場を貫き、自身の正当な利益を断固守っています。同時に日本側に対し正しい対中認識をもち、中国の発展を客観的理性的にとらえ、四つの政治文書で確立された諸原則を順守するよう、そして互いに協力パートナーであり脅威とならないという政治コンセンサスを実行し、重大な敏感な問題を適切に処理し、矛盾と意見の食い違いを建設的に管理し、両国関係の政治的基礎を守るため努力するよう促しています。われわれはまた、日本が対外関係において戦略的自主性を保ち、対中と対諸外国の関係をバランスよく処理し、一部の国の誤った行為に追随し加わらないで、中日関係の大局が損なわれるのを回避するよう希望しています。

 習近平主席は岸田首相と電話会談を行った際、「仁ニ親シミ隣ニ善クスルハ、国ノ宝ナリ」と強調しました。これは中国の伝統的な国政運営の哲学であり、中日の善隣友好関係を発展させる中国側の明確な態度をよく現したものです。同時に、日本側に対するわれわれの期待でもあり、新政権により多くの実際行動をとり、共に努力して、両首脳の重要なコンセンサスを指針に、共に新しい時代にふさわしい中日関係の構築を図るよう望んだものです。

 二、問:孔大使、われわれはあなたが外交分野ですでに30余年中日関係の仕事に携わってこられたことを知っています。この間に中日関係はどのような発展と変化をたどったのでしょうか?

 孔大使:時代はたえず発展するもので、中日関係もたえず時代と共に歩んでいます。私は1985年外務省に入り、大部分の期間、対日関連の業務に携わりました。1980年代初期を思い起こせば、中日間の交流・協力はまだ非常に限られており、両国間の貿易額は200億㌦にも満たず、毎年の人の往来は30万人余りにすぎず、市民はお互いについて、近くて遠い、知っているようでよく知らないという感じを抱いていました。しかし今日、中日貿易額は3200億㌦に達し、コロナ前の人の往来は延べ1200万人の史上記録をつくっています。重要な近隣国、協力パートナーとして、両国の利益はかつてなく深く融合し、お互いの発展は固く結びついています。中日関係が今日のような広がりと深まりをみせているのは、当時まったく想像もできないことでした。

 多くの証言者や参画者と同じく、私は中日関係の今日の成果が苦労して得られたもので、それだけに双方ともこれを大切にし、ますます頑張らなければならないと痛切に感じています。同時に、中日関係の50年近い発展の過程に少なからぬ風雨と曲折があり、極めて深い教訓が残されていることも忘れてはなりません。双方は両国関係の正反両面の経験と教訓を真剣に汲み取り、つねに両国人民の根本的利益を中心にする姿勢を貫き、つねに平和、友好、協力という正しい方向を貫き、つねに信義を守りよしみを重んじる隣人の道を貫くようにすべきです。こうしてこそ中日関係は風雨に阻まれることなく、末永く安定し続けるのです。

 三、問:人民の友好は国と国の関係の健全で着実な発展を図るための重要な基礎であり、われわれは、中日の民間交流がずっと両国間の友好往来の重要な一部分であったことを知っています。民間交流が中日関係の発展で果たした役割をどのように評価しておられるでしょうか?

 孔大使:民間の友好はつねに中日関係発展の重要な土台と力の源でした。長期にわたり、両国の民間は中日関係の再構築と発展を図るために重要な貢献をし、民で官を促し、民間が先行する伝統を形作ってきました。われわれは、2008年の汶川大地震と2011年の東日本大震災の時、両国人民が同舟相救い、苦難の中で助け合った感動的な出来事を今でも覚えています。感染症が勃発すると、両国の市民は連携して闘い、再び「山川 域ヲ異ニスレドモ、風月 天ヲ同ジウス〈中国と日本には同じ山川はない。しかしながら風も月も同じものだ〉という友好の逸話を生んだ。これらはすべて両国人民の貴重な財産です。同時にわれわれは、日本国内のよくない政治的意見のミスリードにより、日本の少なからぬ市民の対中認識に偏りが生じ、世論の好感度が低下していることにも注目しています。この問題は必ず大いに重視するとともに強い決意で解決しなければなりません。

 習近平主席は、中日友好の基礎は民間にあり、中日関係の将来は両国人民の手に握られていると指摘しています。われわれは日本側と共に努力し、コロナの困難を克服して、さまざまな形の人・文化交流と民間往来を積極的に繰り広げ、両国市民の前向きの相互作用〈インタラクション〉を拡大し、相互理解と友好的感情を増進することを願っています。双方は正しい方向性を確立し、客観的な真実の情報を伝え、中日の民間友好をしっかり語り、前向きで善意に基づく社会的世論環境を整えるべきです。われわれは両国のより多くの人、特に若い世代が中日関係に関心を寄せ、中日交流に参加し、民間友好の伝統を受け継ぐよう希望しています。

 四、問:現在、世界の新型コロナ情勢は依然として厳しい。孔大使、最近の日本の状況はどうですか、駐日大使館は日本にいる中国公民に新たにどのような注意喚起をしていますか。

 孔大使:8―9月、日本ではコロナのピークを経験したばかりで、最ピーク時には全国で毎日感染確認者が2万5000人を超えて、医療体制が逼迫し、患者がすぐに入院できない状況が生じました。在日同胞の無事と健康はわれわれの最大の願いで、大使館の感染予防・抑制業務の根本的目標でもあります。大使館はつねに「人民中心」の思想にのっとり、「人民のための外交」を徹底して実践し、同胞を幅広く動員して積極的に防疫活動を進め、外からの流入防止に全力で取り組んでいます。同時に、感染が確認された同胞に一対一で世話をして気分を落ち着かせ、速やかに健康パックを郵送し、また重症の同胞の入院・治療を積極的に調整しています。10月に入ってから、日本のコロナは落ち着きへ向かい、1日当たりの新規感染者数が千人以下に減っています。しかし専門家は、冬になれば再

 リバウンドの可能性が極めて高いと言っています。われわれは広範な同胞に状況が好転したからといって決して警戒を緩めないよう、必ずたゆまず防護に取り組むよう呼びかけています。みなが日本側の手配に従って積極的にワクチンを接種し、「不要不急の外出・旅行を控える」原則を貫き、出来る限り外出を少なくし、日常のよい防疫習慣を維持するよう、特に努めて「3密」即ち密閉、密集、密接を避けるよう提案します。帰国の必要がある場合には、「ダブル検査」と検査後の自己防衛に積極的に協力し、途中での感染を全力で回避するようにしてください。大使館もこれまで通り、同胞の傍で見守り、みんなと一緒に粘り強く頑張って、同胞のためにできるかぎりの援助をしていきます。

 五、問:来年は中日国交正常化50周年を迎えます。双方はどのようにこの重要な節目をいかして、両国関係の新たな展望を開いていくべきでしょうか。

 孔大使:来年中日国交正常化50周年を迎えますが、これは中日関係の重要な里程標で、歴史の新たなスタート地点でもあります。過ぎし半世紀を振り返れば、中日関係は急速な進展をみせて、両国それぞれの発展を強力に促すだけでなく、地域ひいては世界の平和・安定・繁栄に重要な貢献をしました。次の50年を展望して、双方は初心に立ち返り、強い信念をもち、一層健全・理性的で、成熟し安定した中日関係を築くため努力すべきです。以下の四つの方向へ共に努力することができると考えられます。

 第一に一層堅固な政治的相互信頼を築く。国と国の付き合いでは、相互信頼が基本になります。ここで言う相互信頼とは、中日の四つの政治文書で確立された諸原則を順守し、これまで双方の間で得られたコンセンサスと約束を忠実に守ることにほかならず、ポイントは矛盾や意見の食い違いを確実にうまく管理し、もめごとを起こさないようにし、両国関係の政治的基礎を強固にすることです。第二により高いレベルの互恵・ウィンウィンを求めるようにする。双方は各分野の実務協力を強化し、協力の質とレベルを高め、同時に公平で開かれた貿易・投資環境と安全で安定した産業チェーン・サプライチェーンを共同で守り、双方の共通利益を持続的に広げていくべきです。第三に民心の一層深い通い合いを図る。双方は国交正常化50周年を契機に、人と文化の交流を積極的に繰り広げ、両国の市民が互いを知り互いに慈しむようにし、人と文化の絆を強めて、中日関係をより温もりのある、心温まるものにすべきです。第四により建設的な多国間協力を進める。双方はそれぞれの根本的利益と全人類の共通利益から出発して、積極的に責任感と意気を示し、真の多国間主義を実践し、共に地域と世界にしかるべき貢献をし、地域諸国と国際社会の期待に応えるべきです。

 習近平主席は岸田首相との電話会談で、『論語』の中の「知者ハ惑ワズ、仁者ハ憂エズ、勇者ハ懼(おそ)レズ」という言葉を引用しました。私は、中日双方とも知恵と仁徳、勇気があり、さまざまなリスク・挑戦に打ち勝って、新しい時代の中日関係の新たな展望を開き、よりよく両国人民に幸福をもたらし、地域と世界に恩恵を及ぼすものと信じています。