中国共産党第20期3中総会をテーマとする記者交流会での呉江浩駐日大使のスピーチ

2024-08-04 10:08

記者の皆さん

 こんにちは。7月15日から18日にかけて、中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議が北京で開催されました。

 習近平総書記は自ら会議文書作成チームの責任者を務め、作成の考えなど関連状況について会議で説明し、新たな情勢と任務に直面するには、改革をいっそう全面的に深化させ、各分野の制度・仕組みを引き続き整備し、我が国の制度の優位性をよりよく国家のガバナンス効率に転化させなければならないと強調しました。

 会議は『改革を一層全面的に深化させ、中国式現代化を推進することに関する党中央の決定』を審議、採択し、2035年に社会主義現代化を基本的に実現する目標に向け、300以上の改革措置を打ち出し、改革を一層全面的に深化させる明確な青写真を描き、新時代の中国が改革開放の旗印を揺るぎなく掲げていく強いメッセジーを世界に発信しました。

 本日は会議の精神と、および会議の精神に対する理解、心得について、皆さんと交流したいと思います。

 一、20期3中全会の意義は大きく、影響は深遠であります。

 中国式現代化によって強国建設と民族復興の偉業を全面的に推進する重要な時期に開かれた非常に重要な会議であります。会議は新時代における改革の全面的深化の偉大な成果を総括し、その中から引き続き前進する知恵と力を汲み取り、改革をさらに全面的に深化させる重要性と必要性を深く認識し、自発的に改革の位置付けをより際立たせて、改革をより一層深化させる科学性、予見性、主体性、創造性の強化を打ち出しました。

 全会で採択された『決定』は第18期中央委員会第3回全体会議以来の改革の全面的深化の実践の続編であり、新征途における中国式現代化を推進する時代の新編でもあり、引き続き中国の特色ある社会主義制度を整備・発展させ、国家ガバナンス体系・能力の現代化を推進する総目標を明確にし、2029年の中華人民共和国成立80周年までに『決定』で提起された改革任務を終え、2035年までにハイレベルの社会主義市場経済体制を全面的に完成させ、中国の特色ある社会主義制度をさらに充実させ、国家ガバナンス体系・能力の現代化を基本的に実現し、今世紀中ごろまでに社会主義現代化強国を全面的に完成させるために固い基盤を築き、中国式現代化に強い原動力を注入し、力強い制度的保障を提供することが強調されました。

 全会は、中国式現代化は平和的発展の道を歩む現代化であると強調しました。中国は独立自主の平和外交政策を揺るぐことなく実行し、人類運命共同体の構築を推進し、グローバル発展イニシアティブ、グローバル安全保障イニシアティブ、グローバル文明イニシアティブを実践し、平等で秩序ある世界の多極化と互恵的・包摂的な経済グローバル化を提唱し、グローバル・ガバナンス体系の改革と構築を主導することに参画し、平和、安全、繁栄、進歩の輝かしい未来に向けて世界を後押していきます。

 二、全面的な改革深化の重点が際立ち、より系統的に統合されまた。

 中国の改革は難関攻略期にあり、深水域に入りました。たやすい改革はすでに完了し、残るのは困難な課題であり、改革にはより高度な統合性、一体性、相乗効果が求められています。今回の『決定』の重要な特徴は、システムの統合に焦点を当て、改革の全体計画を強化し、あらゆる分野の改革が相乗的、協調的、効率的に行われるようにすることです。

 『決定』は経済体制改革を指針として、以下の分野の改革について重点的に強調しています。

 第一に、ハイレベルの社会主義市場経済体制を構築し、政府と市場の関係という核心的問題をうまく処理し、市場メカニズムの役割をよりよく発揮させ、より公平でより活力のある市場環境をつくり出し、資源配分の効率の最適化と効果の最大化を図ることです。

 第二に、質の高い発展を推し進める体制・仕組みを整備し、在来産業の最適化・高度化をリードし、生産要素を新しい質の生産力の発展に集中させ、実体経済とデジタル経済の高度な融合を促進し、現代サービス業の発展を加速させ、現代化インフラ整備を強化し、産業チェーン・サプライチェーンの強靭性と安全レベルを向上させることです。

 第三に、全面的なイノベーションを支援する体制を構築し、教育、科学技術、人材の基礎的・戦略的な支援を強化し、科学技術イノベーションを阻む認識上・制度上の障壁を断固として除去し、国のイノベーション体系の全体的な効能を高め、科学技術イノベーションにおける創造の活力を奮い立たせることです。

 第四に、マクロ経済ガバナンス体系を整え、政策の制定から実行までフロー全体の管理を強化し、財政、税制、金融など重点分野の改革を統一的に進め、構造政策、成長政策と安定政策の相乗効果を強化することです。

 第五に、都市と農村の融合発展を目指す体制・仕組みを整備し、都市と農村地域の発展と所得配分の欠点に着目し、新型の工業化、新型の都市化および農村の全面的振興を統一的に考慮し、都市と農村の経済的連携を強化し、都市と農村の経済循環をスムーズにし、都市と農村の共同繁栄と発展を促すことです。

 第六に、ハイレベルの対外開放の体制・仕組みを整え、開放によって改革、発展、イノベーションを促進し、制度型の開放を拡大し、貿易・外国企業の投資や対外投資管理体制の改革を深化させ、「一帯一路」共同建設参加国との発展戦略の連携を強化し、経済貿易、生産能力、科学技術、人・文化などの分野で協力を深化させ、「一帯一路」共同建設をより質の高い、よりハイレベルな発展に向けて後押しすることです。

 『決定』は全面的改革、発展と安全保障を一体的とらえるのを高度に重視し、政治、文化、社会、生態文明、国の安全保障、国防・軍隊などの分野の改革を統一的に計画・配置し、全過程人民民主制度体系をより完全なものにし、国の諸活動の法治化を全面的に推し進め、物質文明と精神文明の協調を図り、発展の中で民生を保障・改善し、人と自然の調和的共生を推進し、質の高い発展とハイレベルの安全保障との良好なインタラクションを実現することを提起しました。党の指導を堅持し、党の指導レベルを高め、党の制度改革づくりを深化させ、党風・廉潔政治建設と反腐敗闘争を推進し、改革を一層全面的に深化させ、中国式現代化を推進するための根本的な保証することを打ち出しました。

 三、改革措置は実効を重んじ、着実に実行に移されつつあります。

 現在、我々は『決定』が打ち出した300以上の重要な改革措置をめぐって、任務と責任を明確にし、クギを打つ精神で実行に取り組み、確実に役に立つ政策を打ち出していきます。一連の措置はすでに実行に移されつつあります。

 我々は「大規模設備の更新と消費財の買い替え・下取りを支援するための若干の措置」を公布し、3000億元の超長期特別国債資金を統一的に手配し、支援範囲を大幅に広げ、既存の工業、環境インフラ、交通運輸など7分野に加え、エネルギー・電力、古いエレベーター施設の更新や重点産業における省エネ、二酸化炭素削減、安全な改修を盛り込みました。組織の仕組みを大幅に最適化し、資金申告の敷居を下げ、承認プロセスを簡素化し、地方により大きな自己決定権を付与しました。また、補助基準を大幅に引き上げました。例を挙げると、対象となる自動車の廃車・更新に対する補助金額を2倍以上に引き上げ、個人が一定のエネルギー効率以上の家電を購入する場合に15~20%の補助金が付与されます。今後5年間の国有中央企業による大型設備の更新・改修への投資総額は3兆元を超える見通しです。

 大学学部専攻配置の見直しに力を入れ、重要分野の専攻構成を強化し、特色と優位性のある専攻群を構築します。科学技術イノベーション支援特別担保計画を制定し、科学技術イノベーション再保険の規模とリスク分担を拡大し、革新駆動型発展戦略を深く実施し、政府系融資保証システムの役割をよりよく発揮し、より多くの金融資源が科学技術革新型中小企業の発展を支援するよう推し進めます。

 「都市内村落改造国土空間計画政策ガイドライン」を制定し、各地がそれぞれの状況に適した施策を奨励し、土地の総合開発、空間の複合利用、ストック資産運営などの政策のインセンティブと刷新を模索し、住みやすい靭性のあるスマート都市を構築します。

 企業が低炭素製品の開発生産するよう指導し、低炭素市場環境を作り、グリーン・低炭素的な質の高い発展を推進します。全国炭素市場建設を加速させ、鉄鋼、セメント、アルミニウム製錬などの重点排出業界を組み入れ、炭素ピークアウトとカーボンニュートラルの実現に寄与するようにします。節水産業の発展加速に関する指導意見を公表し、2027年までに1兆元級の節水産業を構築し、2035年までに節水型生産生活様式を全面的に形成することを明確にしました。

 そのほかにも、これから「ファインケミカル産業革新発展実施プラン」などを続々と発表し、「公平競争審査条例」を実施し、2024年大学卒業生及び青年就職難関攻略行動の始動を手配し、全国医療保障標準化作業グループを設立し、144時間のトランジットビザ免除適用地域の増加と外国籍者宿泊の便利化に関する若干の通知を打ち出しました。要するに、三中全会の『決定』の「大青写真」を「施工図」に変え、1つずつ着実に各改革任務を実際の行動に落とし込み、会議の改革政策を現実のものにしていきます。

 四、中日協力はチャンスをつかみ、タイプ転換と高度化の新たな前途を切り開くべきであります。

 中日の経済協力は現在いくつかの困難に直面しています。今年上半期の中日二国間貿易総額は前年比5・1%減少し、相互投資が相対的に低迷しておりますが、同じ時期の中国輸出入総額と投資総額は増加し続けております。これは主に中国と日本の二国間協力の構造的変化がもたらすものです。中国消費者のニーズは日増しに多元化し、要求は絶えず高まっており、中国企業の革新能力と競争力は持続的に強化され、中国と日本の間では、かつてない旧来の垂直分業から水平分業へのシフトが進んでおり、中国市場での競争はますます激しくなってきました。両国の企業は過去数十年にわたって協力してきた伝統と経験を踏まえ、これらの新しい変化と新しい課題に積極的に対応すべきであります。

 同時に、中日両国の経済は高度な相互補完的な枠組みが変わっておらず、双方の実務協力には依然として大きな潜在力があることを見なければならない。二国間から見ますと、中日関係は次第に改善しつつあるプロセスの中にあります。昨年、習近平主席は岸田首相と戦略的互恵関係の全面的推進を再確認し、今年、李強総理は岸田首相と各分野における実務協力の強化で一致しています。目下、両国の外交当局は矛盾や意見の相違をよりよく管理・コントロールし、緊迫問題の解決に緊密な意思疎通を保っており、双方の企業間の付き合いはより活発になっており、日本の主要経済団体は数度にわたり中国を訪問し、中国の機関や企業も相次ぐ日本を訪れ協力の新しいチャンスを模索しており、両国政府はこれらの動きを奨励し支持すると表明しました。

 中国の発展から見ますと、今年上半期の中国経済は引き続き回復し、GDPが前年同期比5%増加し、世界的にもリードを保っています。中国の中所得層は4億人を超え、2035年には8億人に達すると予想されています。中国には世界最大規模の教育体系、最も完備した工業体系、超大規模消費市場と高素質労働力供給があり、特に日進月歩の科学技術革新が目立っており、これらはすべてが中国の安定した長期的な発展を推進する重要な原動力であります。

 国際的な視野から見ますと、中国は依然として世界的に注目されている投資のホットスポットであります。最近の調査によると、外資系企業の9割以上が中国のビジネス環境に基本的に満足し、4割強が中国市場の魅力が上昇していると考えていると答えています。最近、多くの大手多国籍企業の幹部が相次いで訪中し、一時中国を離れた企業も戻りつつあります。

 新たな情勢を前に、中日両国の経済界は意思疎通を強化し、知恵を出し合い、協力を維持し広げる道を共同で模索すべきでしょう。

 第一に、両国間の貿易の回復と発展を促進することです。両国の企業は地域的な包括的経済連携協定(RCEP)を積極的に活用し、協定の利用率を高め、両国の様々な重要な経済・貿易展示会に積極的に参加し、越境電子商取引などの新たな貿易形態を模索し、ともにデカップリングとチェーン切断に反対し、地域のサプライチェーンの安定と安全を守るべきです。

 第二に、日本の対中投資の新しいモデルに掘り起こすことです。一部の在中国日本企業が抱える現実的な問題に対して、双方は慣性思考を打破し、それぞれの優位性に応じて戦略的協力を行い、健全な競争の中で新たな道を見出すべきです。一部の日本企業は、中国市場の新しい動向に合わせて、中国の現地企業と共同で研究開発を実施し、より市場のニーズに合った商品を発表しております。これは良い試みであります。

 第三に、中国の対日投資の新たな道を模索することです。今年上半期、中国の対外非金融直接投資は16・6%の急成長を達成しました。中国企業はデジタル経済や新エネルギーなどの分野で急速に変革・発展しており、「対外進出」のペースは加速しています。双方はこの機会をとらえ、学び合いと相互参考を強化し、それぞれの経済・社会発展によりよく貢献すべきです。

 第四に、中日企業の共同海外進出の新たな地平を切り開くことです。両国の企業はそれぞれの強みを持っており、第三国市場協力の潜在力は強いです。現在、両国企業は自発的に東南アジアなどの地域で金融、製造、サービス業などの分野で協力をしており、双方は新興市場でより高いレベルの互恵ウィンウィンを実現できます。

 第20期中央委員会第3回全体会議は、中国改革開放を一層全面的に深化させる新たな一ページを開き、各改革措置の実施に伴い、そのボーナスが次々と放出され、中日関係の発展により多くの利益とチャンスを提供するに違いありません。我々は日本側と共に、新時代の中日互恵・ウィンウィンの新しい未来を共に切り開くことを期待しております。