在日中国大使館は20日、「台湾問題と中日関係」座談会を開催し、呉江浩大使が基調講演を行った。日本の鳩山由紀夫元首相、福島瑞穂社民党党首ら多数の国会議員をはじめ、日本の学界、メディア、友好団体、華僑・華人など各界の代表約80人が出席した。楊宇公使が座談会の司会を務め、施泳公使、張漪波公使参事官、張沛霖公使参事官、陳巍公使参事官らが同席した。
呉大使は基調講演の中で、次のように述べた。本日、台湾地区の新たに選出された指導者がいわゆる「就任式」を行い、日本の国会議員30人余りが群がって台湾に行き「祝意」を表し、「台湾独立」分裂勢力を公然と後押しした。これは中日の四つの政治文書の精神と日本が台湾問題で行った約束に背き、極めて誤った政治的シグナルを発している。中国はこれに断固反対する。
呉大使はまた、次のように述べた。民進党は発足初日から、根っからの「台湾独立」を企む分裂組織だ。民進党の「党綱領」を見ると、第1条に「主権独立自主の台湾共和国を樹立する」とある。民進党は政権担当期間中、「台湾独立」という分裂の立場を頑なに固執し、「92共通認識〈コンセンサス〉」を歪曲・否定し、島内で「脱中国化」を推し進め、「漸進的台湾独立」を行い、両岸の交流・協力を破壊し、外部勢力と結託して「独立」を図り挑発を企てた。陳水扁、蔡英文から今日政権に就いた頼清徳に至るまで、みな極端に頑固な「台湾独立」を掲げる頑迷分子だ。頼清徳とは何者か。この人物は「実務的な台湾独立工作者」を自称し、島内の人々は「台独金孫」(台湾独立勢力の大切な孫)というあだ名をつけ、どのような職務に就こうとも「台湾独立」の立場を変えないと主張している。民進党当局が島内で引き続き政権を担当することは、平和統一の未来を破壊し、平和統一の空間を圧迫するだけで、両岸関係の情勢はより複雑で厳しくなる。
呉大使はさらに、次のように述べた。一部の米国人がいわゆる「台湾地位未定論」を唱え、さらには国連決議第2758号が台湾の法的地位を解決していないと妄言を吐いているが、全く理不尽だ。決議は、「中華人民共和国のすべての権利を回復し、その政府の代表を国連機構における中国の唯一の合法的な代表であると認めるとともに、蒋介石の代表を国連機構およびそれに所属するすべての機関で不法に占拠している議席から直ちに追放する」と書面にして確実な証拠として書かれている。決議は台湾を含む全中国の国連における代表権問題を政治面・法律面・手続き面から完全かつ徹底的に解決し、世界にはただ一つの中国しかなく、台湾は中国の一部であり、一つの国ではないことを明確にし、中国の国連における議席はただ一つであり、中華人民共和国政府は唯一の合法的な代表であり、「二つの中国」「一つの中国、一つの台湾」は存在しないことを明確にした。中華人民共和国の代表権に台湾が含まれていないなら、どうして「蒋介石の代表」を追放するのか、どうして50年以上も中国の国連分担金のクォータ(割当)に台湾の国内総生産(GDP)が入っていたのか、どうして国連の公式文書は台湾を「中国の省」と表現しているのか、事実はこれほどはっきりしているのに、なぜ「台湾の地位は未だ定まっていない」のか。
呉大使は次のように強調した。国連総会第2758号決議は一つの中国の原則を確認し、国際関係の基本準則と国際社会の普遍的共通認識(コンセンサス)となっており、すべての加盟国が守るべき義務だ。中日国交回復にあたって、日本政府は一つの中国の原則について中国側に厳粛な約束をし、台湾問題に関する中国政府の立場を十分に理解し尊重するとし、ポツダム宣言第8条に準拠する立場を堅持し、台湾とは「非公式な実務関係」のみを維持することを表明した。中国側は日本政府が約束を守り、一つの中国の原則を厳守し、台湾問題で一線を越えた挑発をやめ、「議員外交」や民間・地方交流の看板を掲げ、形を変えた公式交流を展開し、既存の枠組みの突破を図ってはならないことを厳粛に促している。
呉氏は、次のように指摘した。国際法に基づき、中国の一部である台湾地区には、国連および主権国家のみが参加できるその他の国際機構に参加するいかなる根拠も理由も権利もない。台湾地区が世界保健機関(WHO)の活動に参加するには、必ず一つの中国の原則に基づいて処理しなければならず、これは国連総会決議第2758号とWHO総会決議25・1号で確定された原則でもある。民進党当局は「台湾独立」という分裂の立場を頑なに固執することで、台湾がWHO総会に出席するための政治的基盤が存在せず、自らをWHO総会から閉め出してしまった。それでも、一つの中国の原則を前提に、中国中央政府は台湾地区の世界の衛生関連実務への参加を適切に手配しており、島内や世界で突発的な公衆衛生事件が発生しても、台湾地区が有効に対応できるよう十分に保証している。台湾地区とWHOの双方向の意思疎通チャネルは全く障害がなく、台湾人民の健康の権利は十分に保障されている。いわゆる「地理的空白」「国際防疫システムの不足点」という言い方は根本的に成り立たず、日本が台湾のWHO総会参加を支持したのは、完全に政治的な企みによるものであり、中国はもちろんこれに断固として反対するものである。
呉大使は次のように述べた。一部の日本人は「台湾有事は日本の有事だ」と騒ぎ立て続け、中国の台湾に対する施政方針を歪曲して解釈し、中国の「武力による台湾攻撃」を大々的に喧伝し、懸命にパニックを煽り、さらには、一部政治屋は「台湾のために戦う」とまで言いふらしている。台湾問題における中国政府の政策的立場は一貫しており、われわれは平和統一の前途を得るために最大限努力したいと思っているが、武力行使の放棄は決して約束しない。これは広範な台湾同胞を対象とするのではなく、「台湾独立」勢力を震え上がらせるための根本的な切り札だ。現在、台湾海峡情勢がエスカレートしている根源は、台湾当局が「外部勢力の力を借りて独立を図る」こと、外部勢力が「台湾をもって中国を制する」やり方で台湾を操っていることにある。長期にわたって台湾に不法な武器を販売していたのは誰か。台湾付近に攻撃的兵器を配備しているのは誰か。いわゆる「台湾有事」を利用して軍拡・強武を行っているのは誰か。答えは明白だ。もし日本が中国分裂を企む戦車に自分を縛り付けるなら、日本の民衆は火の中に連れ込まれるだろう。耳が痛い言葉だが、はっきりと言う必要がある。「あらかじめ断りざりしと言うなかれ」(事前に知らせなかったなどと言ってはならない)である。とくに、日本は台湾の占領と植民地化という歴史的な罪を背負っており、より常に自省し、言動を慎むべきだ。いかなる者も、国家主権と領土保全を守る中国政府と人民の強固な決意、確固たる意志、強大な能力を過小評価してはならない。
呉大使は次のように強調した。台湾問題は中国の核心的利益の中の核心であり、越えてはならないレッドラインだ。中国は現在、世界でまだ統一されていない唯一の主要国であり、祖国の完全な統一を実現することは、海峡両岸の同胞、国内外の中華の子女の共通の願いであり、神聖な責務である。中日関係についていえば、台湾問題は両国関係の政治的基礎にかかわる重大な原則問題であり、われわれは日本が中国の主権と領土保全を確実に尊重し、中日の四つの政治文書の精神とこれまで行ってきた約束を守るよう促す。一つの中国の原則を厳守し、「台湾独立」に断固として反対することこそ、台湾海峡の平和と安定を守る唯一の正しい道であり、中日関係の健全な発展の基本的保障である。
鳩山元首相は次のように述べた。日本政府は台湾問題において、世界に一つの中国しかないことを理解し、尊重すべきであり、台湾は中国の不可分の一部であり、中華人民共和国政府は中国を代表する唯一の合法的な政府であるというこれまでの正しい立場を堅持すべきだ。日本政府がそれをきちんとやっていれば、台湾問題で中国を挑発することはなく、いわゆる「台湾有事」の事態は起きなかっただろう。私は日本の30人以上の国会議員が台湾に赴き、式典に出席することを深く憂慮している。日中双方が和を以て貴しとなす「友愛」の精神を堅持し、善隣友好関係を築くことを希望する。
福島党首は次のように述べた。社民党は一貫して戦争に断固反対しており、海峡両岸での戦争は望まず、北東アジア地域の恒久的な平和を期待している。社民党は一貫して日中の平和友好を主張し、永遠に戦わないという信念を貫き、戦略的互恵関係の全面的推進に関する両国指導者の重要な共通認識を支持している。日本政府は侵略戦争の教訓をくみ取り、平和憲法を守り、軍拡をやめ、平和外交に力を入れるべきだ。
出席者は次々と一つの中国の原則を堅持すべきだと強調し、次のように述べた。台湾は中国の一部であり、台湾問題は中国の内政であることは揺るぎない事実だ。50年以上前から日本政府はこの立場を認めている。米国はしばらくの間、台湾問題で中国を挑発し続けてきたが、いわゆる「台湾有事」とは下心のある者がでっち上げたものであり、真に「現状を変更」したのは中国ではない。中国は日本の敵ではなく、日中友好を堅持することこそが日本の最大の安全保障であり、この地域の平和と安定を真に守ることができる。
中央テレビ局、新華社、人民日報、中国新聞社、チャイナ・デーリー、鳳凰衛視(フェニックステレビ)と日本の読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞、日本放送協会(NHK)、テレビ朝日、TBSなど20余りの中国と日本の主流メディアの記者が現地報道を行った。