16日付の中国紙「新京報」は「国を愛するには理性的な、法を守る公民になるべきだ」と題する社説を掲げた。社説は、保釣〈釣魚島防衛〉問題において、国益を守ることを口実に、法律を捨て去り、他の公民の合法的権利・利益を害することは決して許されないと述べている。内容次の通り。
昨日、「平安北京」はミニブログで、次のように述べた。一部の市民が自発的に中国駐在日本大使館前に来て、国旗を振り、スローガンを叫んで、日本の釣魚島「購入」という不法行為を非難した。愛国の熱情を表す過程で、みなは理性的態度を保ち、現場の警察の誘導に協力し、秩序がよくとれていた。昨日、他の都市でも市民が自発的に自分の愛国の熱情を表し、日本政府の「島購入」を非難した。
日本政府による釣魚島「購入」の不法行為は、中国の主権を侵害するもので、中国市民の強い不満を招いた。中国の市民が週末の休みを使って、日本政府の「島購入」に抗議し、自分の愛国の熱情を表すのは、ごくあたりまえのことだ。
日本政府は中国市民の愛国の熱情と保釣のスローガンから、中国の民意を読み取るべきだ。もし日本側が引き続き中国の国益を侵害し、中国市民の気持ちを傷つけ、引き続きその感情を刺激するならば、中日の民間交流が傷つけられ、さらに中日関係の土台が揺さぶられるだろう。
市民は愛国の熱情を表すと同時に、理性的な愛国、文明化した〈野蛮でない〉愛国、法を守る愛国をも意識すべきである。国を愛するのに、民粋〈狭隘な民族主義〉や暴力は必要でなく、その代価として国内の正常な社会秩序を犠牲にする必要はない。愛国では、「叩き、壊し、奪う」にノーを突きつけなければならない。
暴力的傾向をもつ、叩き・壊し・奪う「愛国者」はごく少数ではあるが、彼らが社会に与える害はかなり大きい。報道によると、このところ、ネット上で車に貼る愛国シールがよく売れ、買い手はほとんど日本車の持ち主だという。またいくつかの和食レストランでも、経営者はすべて中国人なのに、愛国の標語を貼って、同胞であることを示さざるをえない。彼らはみな自分の財産の安全を心配しているのだ。
各地で次々に生じている「叩き、壊し、奪う」現象は、ごく一部の人の「愛国」の方向が間違っていることを示している。彼らは、今日の愛国の中身が100年余り前とはすでに違っていることを知らないのかもしれない。愛国にはもはや民族主義という一つの内容しかないのではない。民族国家の基礎の上に、法治による、文明化、民主化した近代国家を建設しなければならないのだ。そして現代の愛国者は、この国家の公民でもある。
現在、真の愛国は「義和団」型の愛国に別れを告げるべきである。国を愛するのだから、勝手放題なことをし、無法の限りを尽くしてもよいとは言えない。保釣問題において、国益を守ることを口実に、法律を捨て去ってよく、他の公民の合法的権利・利益を害してもよいとは言えない。
一方で、われわれは引き続き、市民が「国を害する」暴民になるのではなく、理性的に国を愛し、愛国的な公民になるよう呼びかける。他方で、各地の政府官庁が社会秩序を守る職責を積極的に担い、愛国の旗を掲げて「叩き、壊し、奪う」ごく一部の者を法律で取り締まる必要がある。
9月13日、深圳の警察は、8月19日日本製品ボイコットの過程で、日本製乗用車を叩き壊した4人の逮捕を検察院がすでに許可したことを確認した。法治国家において、こうするのは正しいことだ。各地の政府も一層積極的に責任を果たし、事件の後で追及するだけでなく、事前プラン〈マニュアル〉をつくり、社会の秩序を守る必要がある。一部の違法な犯罪の兆しが見えたときには、法に基づいて果断な措置をとり、適時にこれを阻止し、鮮明な姿勢と強力な措置によって、公民の合法的財産が侵害されないようにすべきだ。
愛国とは国をめちゃめちゃにすることではなく、国をもっとすばらしくしようとするものだ。愛国では共通の国益を守る必要があるとともに、共通の価値を守る必要もある。市民が愛国の熱情を示すとき、理性的でかつ法を守ってこそ、称賛に値し、また外に向かって、一つの国の強大な内的力を示すことができるのである。