海協スポークスマンが陳雲林主任の訪台と農業フォーラム開催で談話
2006/08/29

 

 海峡両岸関係協会(海協、大陸の対台湾民間交流窓口)スポークスマンは28日、両岸(大陸と台湾)農業協力フォーラムを開催するため中国共産党中央台湾工作弁公室主任の陳雲林氏一行が台湾を訪問する問題について談話を発表した。談話内容次の通り。

 海協は陳雲林主任の台湾訪問について協議したいとの海峡交流基金会(海基会、台湾の対大陸民間交流窓口)の21日付けの書簡を受け取った。

 海基会は書簡のなかで「陳主任の台湾訪問が両岸政府高官の交流に属するため、昨年11月14日と11月17日の2回、貴会に書簡を送り、陳主任の台湾訪問について協議するため代表を派遣するよう要請したが、現在に至っても回答がない」と述べているが、台湾「大陸委員会」が今月18日、陳雲林主任らの台湾訪問を拒否したため、海基会の2回の書簡に回答することは無意味になった。

 今回の陳雲林主任一行の台湾訪問と台北で開催される両岸農業フォーラムは国共両党が進めている党間交流の一部であり、「両岸政府高官の交流」とは性格が異なる。住民の利益をさぐることを出発点に、両岸の経済交流を促し、両岸同胞の共通の利益を守り、拡大することがフォーラム開催の目的である。フォーラムでの実務協議を通じ、現実的かつ効果的措置を検討し、両岸の農業協力を一層推進することを望んでいる。またフォーラムでの協議を通じ、両岸の農業協力における現実的問題点を解決、両岸農業の互恵とウインウイン(共に勝者になること)を実現し、両岸同胞特に農民同胞に幸せをもたらしたい。フォーラムが予定通り開催されることになれば、両岸関係の改善、発展にとっても、両岸経済の共同の繁栄にとっても積極的な意味をもつ会議になるものと確信している。今回の陳主任一行の台湾訪問と両岸農業協力フォーラムの性格は明確である。日程は公表されており、任務も単純で、両岸関係のその他の問題にかかわっていないし、両会(海協と海基会)の協議再開にも「政府主管部門の協議」にもかかわっていない。

 2000年以降、両会の協議再開が難航しているのは周知の通りで、台湾当局も海基会も、その原因を十分に理解しているはずだ。まさに両岸関係がこのように異常な状況にあるため、大陸側は現実的な方法をさぐり、両岸の交流を実務的に進め、両岸の経済協力を推進しているのだ。台湾の関係部門が、両岸協議が再開できないことを陳主任一行の台湾訪問を妨げる理由にしないよう希望する。海協主管部門は次のように表明する。陳主任一行の台湾訪問は国民党国政研究基金会の招請に応じて申請したもので、審査の過程で照会すべき点があれば、台湾主管部門は国民党国政研究基金会に照会することができる。台湾当局が陳主任一行の台湾訪問とフォーラムの開催に同意すれば、我々は国民党国政研究基金会と共に、我々の側の要員の出入国、安全、便宜など具体的問題について、適切な名目で台湾の関係部門が指定する単位と協議を進めたい。陳雲林主任一行の台湾訪問と国共両党関係部門によるフォーラムの開催を認めることに台湾当局が誠意をもっているかどうかに問題のカギはある。

 (北京8月28日発新華社)