都市の生活排水処理を目的とした湿地造成へ チベット初
2014/04/04

   チベット自治区は都市(町を含む、以下同)の生活排水を処理するため、1300万元(1元=約17円)余りを投じ、2カ所の人工湿地を造成する予定だという。チベット環境保護庁が3日明らかにしたもの。

   チベット人工湿地プロジェクトの試行地にメゾクンガル県とリュンズフ県の二つの荒れ地(未開墾地)が選ばれ、総合的な人工生態系がつくられるという。二つの人工湿地の総面積は約25ムー(約167アール)で、その主な機能は都市の生活排水を処理すること。一日当たりの処理量は1000トンとしている。

   チベット自治区環境保護庁企画財務処の税艶平処長は次のように説明した。都市の生活排水は〈下水〉管を通じて人工湿地に集められ、湿地の土壌、人工媒質、植物、微生物などを利用して処理され、最後に比較的低い場所にある天然湿地に流れ込む。

   人工湿地を利用した生活排水処理は投資コストが低く、工程も簡単で、管理コストも低いなどの優位性があるとしている。試行地でよい成果が上げられた場合、全自治区に広めることも期待されている。

   データによると、現在チベットの湿地面積は600万ヘクタールで全国土の4・9%を占め全国1位となっている。人工湿地の完成と普及は天然湿地を保護する役割を一定程度果たし、天然湿地にかかる圧力を緩和するという。